ささげもの

解放 飛躍 進化 回帰

このブログについて

 

「あなたは進化します」。

「あなたを乗っ取り、あなたを苦しめ、あなたから自由を奪い、

可能性を奪い、あなたの人生を奪っているものがあなたの中にあるのです。

それどころかそれはあなたの進化をも阻んでいるのです」。

 

こんなことを言われたら、あなたはどう思うでしょうか?

 

問題は私たちの外側ではなく、私たち自身の内側に

生まれつき持っていたものにあったようです。

生まれながらに持っていたため、気づけなかったものに

私たちの苦しみや問題の原因があったのです。

その原因となるものは私たちが「気づく」ところから解消されて行きます。

「言われてみれば確かにそうだ」と気づく時

問題は問題でなくなって行くのです。

 

今日のニュースが、巷の問題が

どれほど私たち人間から離れているのでしょう?

個人の苦しみの原因も人類の問題の原因も私たち自身の内側にあります。

 

あなたにしかない人生を生きたいとは思いませんか?

創造性を発揮したいとは思いませんか?

苦しみから解放されてあなたらしく生きたいとは思いませんか?

 

そんなあなたがいるなら、このブログはお役に立てるものかもしれません。

当ブログは詩のような短い言葉で出来ています。

読者の方が読み進めるうちに自然と気づきが起きることを目指しました。

気楽な読み物として読んで頂いても構いません。

 

苦しみを抱えておられる方にはそれを乗り越えるきっかけが

自分らしく創造的に生きたい方にはそのヒントが見つかるかもしれません。

あるいはそれ以上の思わぬことが、あなたの身に起きるかもしれません。

 

このブログはあなたの世界の他の誰かに、ではなくあなたに

他のいつかではなく、この時にあなたに向けられたものです。

 

 

事実の力 実在する力ⅰ

 

苦悩

 

あなたの苦しみはどこから来るのでしょう?

例えば肉体的な痛み、経済的困窮

人間関係の問題、心の問題

苦しみの原因はまさにそこに

自覚する所にあるのかもしれません

 

それでも予期せぬ所にあったとしたら

私たちの盲点に苦しみの原因があり

それを可視化することができたとしたら

私たちを苦しめていたものは

思わぬ所から解決に向かうのかもしれません

 

あなたの苦しみはどこから来るのでしょう?

物理的な痛みから来るのでしょうか?

あなたの置かれた環境や状況

出来事から来るのでしょうか?

あなたの苦しみはどこから来るのでしょう?

 

 

願い(このブログを読む前に)

 

必要なものはここにあります

恐らくあなたは一人でこれを見ています

自分と向き合う姿勢があります

 

後は勇気です

自分の中を覗く少しの勇気

覗いた先にあるものを認める勇気です

 

後は落ち着きです

嫌がるものの抵抗を余所に

ゆっくりと、じっくりとすることです

 

後は静けさです

喧騒の中では永遠に起きません

大きなことは静けさの中で起こります

 

 

引き金(私について)

 

知ることで解決に向かうものがある

私たちの中にいるものを知り

それがいることを認める時

私たちは自然に次の段階へ進む

まるで封印された細胞の情報が

解除されるかのように

 

私たちは流れる

否応なしに進化を続けるもの

それに抵抗するものがいる

私たちの中にいて問題の元凶になっている

私はその抵抗を解くきっかけ

引き金に過ぎない

 

 

ガジュマル

 

幹のように膨れ上がった根は

宿主を呑み込み、一本の巨樹になる

始まりは小さな種でも

鬱蒼としたその姿からは

もはや元となるものは見出せない

 

デタラメに伸びた枝は無関係に見えている

それでも出所は一つ

私たちがある症状を示す時

元となるものは膨れ上がり

デタラメにまた別の症状が現れる

 

私たちは症状のデパートになる

それでもこの病は全く周知されない

こんなのは専門家の怠慢じゃないか!

それとも術者さえも罹患していたのか?

科学を持ってしても掴めないのか?

 

私たちがこの事態を乗り越える時

つまり元となるものを知り

それがあることを認める時

シメコロシノキは多幸樹となり

聖なる木となるのかもしれない

 

 

 

イメージとしては狭苦しい

進行方向は常に見えない

振り返ることはできても

二度とそこへは行けない

鼻の頭と背中にピタリと二枚の壁がある

 

前の壁は元々闇のように暗い訳でも

状況によって不透明になる訳でもなく

鏡のように私の心を映している

後ろの壁も鏡のようでガラスのようで

経年と共に曇って行く

 

私は線状の時間を生きているようで

常に今ここの点状を生きている

踏み台昇降運動よりも退屈な

今ここというその場で足踏みをし

背景が流れて行く、という感じかもしれない

 

狭い狭いこの空間で生きている

今ここで変わりなく暮らしている

それでも私は老いて行く

今ここからは抜け出せない

影のようにそこにある

 

「影が、そこに」と言うよりは

私自身が今ここなのかもしれない

一瞬先でも後でもない

そしてどこかでもない

私はいつも今ここを生きている

 

 

もう少しの仕上がり

 

流れのない時間

変化のない場所

「時間に解放された空間」

とでも言えばいいのか?

 

過去へは行けない

未来へも行けない

ここではないどこかへも

いつも今ここを生きている

 

とても限られたこの空間が私の生きる場所

それでもない

意識がない

体しかない

 

過ぎてしまったことに囚われる

起きるかどうかも分からないことに囚われる

ああなれば変わる、ああなれば良くなる

「ああなれば」の「ああ」は私の頭の中

 

意識はどこかにある

過去と未来に

ここではないどこかに

今の私ではない他の誰かに

 

体と意識は離れている

体は放置されたままで億年が過ぎてしまった

それでももう少しで繋がる

ようやく今がその時

私はもう少しで仕上がる

 

 

空を見ない

 

帽子を目深に被り、下を見ている

下も見ていない

起きていないことを見ている

起きるかどうかも分からないことを見ている

失ったものを見ている

ないものを見ている

 

ないものは見えない

それでも見ている

ないものを見て喜ばない

苦しんでいる

あなたには気づきがない

生まれた頃から一体のそれには疑いがない

 

吸い込まれそうな青い空に言葉を失う

存在の世界はそこにある

それでもあなたには見えない

あなたはないものを見ている

意識の世界を生きている

そんなあなたは空を見ない

 

 

老いも若きも

 

あるものは見える

それでも見えない

ないものは見えない

それでも見ている

 

時間があれば

自由があれば

お金があれば

経験があれば

 

予定があれば

繋がりがあれば

元気があれば

若さがあれば

 

 

後ろの正面

 

あるうちは見えない

なくなってから見える

見えた時にはない

 

なくなってからでは遅い

私は喪失感に襲われる

自責の念にかられる

 

またなくなったものを見ているじゃないか!

今あるものも今いる人も見えない

同じ繰り返し

 

見えないものを見せて見えるものに蓋をする

そのことで私を不幸にしようとする

私の何がそうさせるのか?

 

すると即座に答えた

「人とはそういうものだ」と

さっきのものが私にそう答えた

 

 

 

予測できないことを言っても仕方がない

「ねばならない」は相応しくなくても

予測できないことに囚われていることを

シリアスに受け止めなければならない

 

「来年のことを言えば鬼が笑う」

「明日のことを言えば鬼が笑う」

鬼とは何だろう?

私の中にいる者かもしれない

 

来年かもしれない

明日かもしれない

今にないものを見せる者がいる

私に幻を見せて太り、喜ぶ者がいる

 

「来年のことを言えば鴉が笑う」

「明日のことを言えば天井で鼠が笑う」

何が可笑しいのか、私を見て笑う

鴉や鼠になくて私にあるものは何だろう?

 

来年かもしれない

明日かもしれない

ここにないものを見せる者がいる

私に幻を見せて太り、喜ぶ者がいる

 

 

染み

 

一滴が滲むように拡がって

染みのように沈着した

油断も隙もない

疲れている時、余裕のない時

すでにそこにいる

私はすでにそのものになろうとしている

 

どうしてこんな目に遭うのか?

あいつばかりが楽をしているじゃないか

こんな理不尽は耐え難い

そう言えばあの時もそうだ

だいたいあいつはいつもそうだ

もうやっていられない!

 

僅かな思考と負の感情が

染みのように拡がる

私も私の状況も見る見るうちに染めてしまう

今ここにないことで、起きていないことで

僅かな思考と負の感情で

たった一滴で私を支配する

 

 

疲労

 

大きく息をついた

何かの終わりを告げるように

溜まったものを吐き出すように

うんざりするように

私は疲れている

 

私よりも貧しい人がいる

私よりも重い人がいる

私よりも深刻な人がいる

いや、「誰かよりも」は関係ない!

私は疲れている

 

深刻な事態に対してか?

ずっと貧しい人がいる

ずっと重い人がいる

ずっとずっと深刻な人がいる

私は何を疲れているのか?

 

私が知らなくても考えは中身を変えて現れた

考えの中身ではなく、考えと感情に

考えと感情、そのものに私は疲れていた

私は息が詰まりそうになる

体は呼吸さえも忘れて縮こまる

 

 

考える

 

「怒ろう」と思って怒らない

「悲しもう」と思って悲しまない

「恐れよう」と思って恐れない

「後悔しよう」と思って後悔しない

 

考えは起こすものか?

起こすもので起きるものかもしれない

問題に向かう時、私は考える

考えようとして考える

 

感情を孕んだ考えは少し違う

それはやって来る

気づかぬうちに現れて

私と一つになって私を呑み込んだ

 

私は考えているのか?

考えに囚われているのか?

 

 

座禅

 

雑念妄念がやって来る

他人からではなく、出来事からでもなく

雑念妄念はやって来る

私からではない

それでも私からやって来る

 

「どうしてこんなことになったのか?」

「ああしておけばよかった」

「私の人生は何だったのか?」

 

「あんなことになったらどうしよう?」

「大変なことになる」

「もうダメだ」

 

考えと感情がやって来る

他人からではなく、出来事からでもなく

考えと感情はやって来る

私からではない

それでも私からやって来る

 

イライラさせる

ジリジリさせる

そわそわさせる

くよくよさせる

鬱鬱とさせる

 

揺さぶり、追い詰め、力を奪う

それをするのは私なのか?

考えと感情はやって来る

私からではない

それでも私からやって来る

 

 

曇らせる

 

喜び、幸せの日々

それらは確かに存在した

事実として

 

それでも敢えて選んだ

膨大な記憶から敢えて苦しみを抜き出して

私に見せた

 

私は見せられるまま

生まれた頃から一体の

それには抵抗も気づきもない

 

過ぎたことが現れた!

失ったもの、去って行った人が蘇った!

あの時のように私はここで心を曇らせた

 

 

ナンセンス

 

「だとしたら」と言う

そうではないことを

「そうだったとしたら」と言う

気楽な遊びを越えてシリアスに受け止める

 

存在しないものは存在しない

無いものは無い

無いものを私が思った通りに

「だったとしたら」と言っても仕方がない

 

私はナンセンス

選ばなかった現実が

見たことのない現実が

想像通りに存在する、と決めつけた

 

「ああしておけばよかった」

と後悔までした

私はナンセンス

存在しない現実を見ている

 

 

典型

 

「前代未聞」

「異例の」「前例がない」

「過去から判断すると懸念される」

「どうなるか疑わしい」

 

事実を見せない

幻を見せる

見せた上に苦しめる

それが典型かもしれない

 

前例のないものがなければ進化しない

過去から判断する私には過去も未来も同じ

「どうなるか分からない」と疑う私には

未来が分かる、つまり良からぬ事が起きると

 

私には事実が見ない

進化して来たこの世界

過去、現在、未来の違い

未来の事は、ただ分からないという事実が

 

事実が見えない上に恐れ、疑い、悲観した

すでに乗っ取られているじゃないか!

私は自我に乗っ取られた人間

その典型じゃないか!

 

 

幻覚

 

異常と正常の差は何だろう?

多くは知らない、ましてや本心は

私が見ているのは部分に過ぎない

それでも部分から拡げた

 

私の勝手な解釈で拡げた

そこにあるのは仮想した相手と物語

それでも見ている

現実を見るように私は見ている

 

だから私は嫉妬し、惨めになり

自棄になる

私は恐れ、憎み

力に訴える

 

本当のところは分からない

現実世界で起きていない

それでも見ている

現実を見るように私は見ている

 

幻を見せる者がいる

私に見せて苦しめる

見せた者は紛れた

「思い込み」という言葉に

 

 

支配者

 

権力の座に就いても何もできなかった

それどころかその気がなかった

重責を負ってまでも、自由を失ってまでも

「権力を握りたい」

とは思っていなかった

それでも私は殺した

 

兄とは疎遠になっていた

兄も身の危険を感じていたに違いない

私に近づこうとはしなかった

遠い異国の地で権力とは無縁の暮らしだった

それでも私は殺した

血の繋がりがあるだけの無力な兄を

 

殺したのはなぜだろう?

私は恐れた

絶対的権力者の私が

私は幻を見ていたのか?

無力な兄が、ここにいない兄が

私よりも大きくなったのだ

 

「これは不味いことになりそうだ」

なりそうだ?

予測、憶測、想像、空想、妄想?

異国の地でひっそりと暮らしていた兄

その気のなかった兄

道楽者、自由人だった兄

 

私には事実が見えなかった

不実を見て、実在しない幻を見て

私は兄を殺した

いや、殺したのは私の恐れ

恐れという幻を見せたもの

自我という私の支配者

 

 

忘却

 

大丈夫だろうか?

あんなことになったらどうしようか?

大変なことになる

もうダメだ

 

恐れの指すその頃が今になる時

私は忘れようとしている

陰りのある心、錯綜していた思い

何を恐れていたのか、それさえも

 

だから私は知らない

恐れの感情と起きたことの違い

恐れという感情の精度

その感情に奪われて来た現実を

 

当たっていようと外れていようと気にしない

過去と未来に、ここではないどこかに

話題はいくらでもある

話題を変えてまた見せてやればいい

 

自我になった私は気づかない

すぐに忘れてくれる、何度も嵌ってくれる

どうしてこんなことになったのか?

防衛本能だった恐れが今や私を脅かす

 

そもそも私は何を怯えていたのか?

起きてもいない幻に?

事実でもない不明のものに?

私は恐れという幻影に怯えていたのか?

 

 

一寸先

 

闇でも透明でも不透明でもなく

先は見えない

きっと過去のいつであっても先は見えない

自我になった人間は恐れに対して忘れやすく

自覚のないものかもしれない

 

昨日も言っていた

その前も言っていた、今日のさっきも

「先行きが不透明だ」と

先の見える時代があったのか?

そんな時代があるとは思えない

 

透明感も不透明感も

安定感も不安定感も

錯覚に違いない

常識でもその幻のような感覚が

この世界を動かしているとは思えない

 

闇でも透明でも不透明でもなく

先は見えない

次世代の人間には見えるのかもしれない

それでもきっと見えない

私たちは元々今を生きるように出来ている

 

 

無責任

 

焚き付けるだけ焚き付けた

煽るだけ煽った

起きるだけ起きた

後は知らない

その後の報告がない

 

懸念というものは無責任だ

疑いというものも無責任だ

検証がない

反省も改善もない

検証というのは懸念と疑い

そのものについての検証だ

 

焚き付けるだけ焚き付けた

煽るだけ煽った

質の悪いマスコミのように

中身を変えてまた現れた

自我は集合にもなりたがる

 

 

シルエット

 

人影にさえも怯えていた

黒いシルエットは見るのも怖かった

用を足すにも風呂に入るにも一人は怖い

落ち着かない私は扉を開け放した

何かあればすぐに呼んだ

「おかあさん!」

 

明かりがなければ眠れない

音がなければ落ち着かない

子どもの私は何を怯えていたのだろう?

気づけば大人になっていた

恐れが小さくなったのか?

幼かっただけなのだろう

 

生き物でもあるまいし、育つ物とは思えない

それでも明かりがなければ眠れない

音がなければ落ち着かない

黒いシルエットのように私の中で育っている

恐れが?

恐れを齎すものが?

 

育つのだろうか?

「全体のものになる」とでも言うのか?

AはBに備えて今日も注ぎ込んだ

BはAに備えて今日も勤しんだ

何も起きていなくても

テクノロジーは日進月歩

 

BはAを上回るように今日も注ぎ込んだ

AはBを上回るように今日も勤しんだ

「何か起きてからでは遅いのだ!」

相手のシルエットは成長する

Overkill

全員死んでも残っている

 

 

何ともない

 

起きていないことを思う

起きていないことにあまり喜ばない

「人とはそういうものだ」と

私は疑わなかった

起きていないことを思うのはなぜだろう?

 

不安、恐れ、後悔

起きていないことに心を曇らせる

考えてみれば奇妙だ、起きていないのだから

それでも私は不安になり、恐れ、後悔する

起きていないことに心も体も奪われる

 

過去は過ぎたもの、未来は現れていないもの

私はいつも今を生きている

今は起きていない

これから起きるかどうか分からない

私は今を生きているのだから

 

「こんなことになるとは思いもしなかった」

予測できないことを私はちゃんと知っている

それでも決めつけた

「起きるに違いない」と決めつけて

心を曇らせた

 

過去は過ぎたもの、未来は現れていないもの

私はいつも今を生きている

今は起きていない

これから起きるかどうか分からない

今は何ともない

 

現実世界にはなかった

起きていなかった

頭の中だった

 

 

遠ざける

 

ゆっくりできない

じっくりできない

不要不急でも気持ちは先に先にある

(「先」と言っても

私の空想に過ぎないのだが)

 

他人ではなく、状況でもなく

私でもない、それでも私

私の中にいるものが遠ざけようとする

私の意識の焦点を私がいる今ここから

遠ざけよう、遠ざけようとする

 

取り掛かっていても散漫になる

現れる思考の流れ、感情の騒めき

空想世界に私は引き込まれる

意識は今を置き去りに過去と未来

どこかとどこかを行き来する

 

他人ではなく、状況でもなく

私でもない、それでも私

私の中にいるものが遠ざけようとする

私の意識の焦点を私がいる今ここから

遠ざけよう、遠ざけようとする

 

 

事実の力 実在する力ⅱ

 

トーン

 

「だから」で始まる

それは強いだから

始まりに「だから」は可笑しい

それとも始まっていたのかもしれない

 

コンピュータの声を聞く度

私はトーンの重要性を認識する

言葉の意味だけではない

私はトーンから意味を受け取る

 

抑揚がないのは冷たい

抑揚がないのは不自然

調子が強いのは不愉快

調子が強いのも不自然

 

穏やかなトーンは気にならない

自然だからかもしれない

「だから」で始まるのはなぜだろう?

調子が強いのはなぜだろう?

 

有り余った力のせいとは思えない

それはムキになる時の調子

訴えるような、追い詰められたような

神経質で自己防衛的な臆病なトーン

 

何よりもそのトーンに私が反応している

私の中の同じものが

言葉の意味を抜き取った

そのトーンに騒めき始めている

 

私の中で拡がり始めている

同じ色に染まり始めている

攻勢を強めている

私は奪われて行く

 

 

感染

 

恫喝する声

それは今起きている事かどうかも分からない

テレビから聞こえる音

それでも騒めき始めている

それが私に向けられたものではなくても

 

暴走するバイクの音

私と距離があっても反応する

感度のいいセンサーのように

姿のない誰かの怒りを受け取り、同調する

私はイライラしている

 

本当に優れている

同じ騒音でもそれがどこから来るものなのか

瞬時のうちに識別する

怒りは他者の怒りを誘う

自我は他者の自我を刺激して太らせる

 

こんなことも知っている

あんなこともできる

どうだ、凄いだろう?

見てくれ

認めてくれ

 

自我は伝わる、そこに姿はなくても

行間から、トーンから伝わる

相手の自我を刺激して同調させて太らせる

寄主は何も知らない

それは無意識の下でなされる

 

 

適任者

 

適任者を知っている

決して間違えない

間違えれば己の存在は危うくなる

それでも決して間違えない

あなたではなく

あなたの中にいる者が

 

捕まえたら吐き出す

対面でも電話越しでも自分の話

失ったものの話

不安が堰を切って溢れ出す

きっと氷山の一角

声に出なくても繰り返している

 

悦びなど浮かばない

思いやる余裕はない

知ろうともしない

知っていても関係ない

嫌われても関係ない

それに導く者には何の関係もない

 

 

捕らえるワタシ 捕らわれるわたし

 

私の話は一方的で

ぼやき、嘆き

批判の類

延々と自己主張することもある

 

こんなことも知っている

あんなことも考えることができる

私の話には説得力がある

私は正しい、あの人は間違っている

 

得意になって話し続けた

話が終わりに差し掛かる頃、「はっ」とした

ヒートアップしている自分と相手との温度差

私だけが話をしていたのだ

 

そこに2人の私がいた

捕らえるワタシと捕らわれるわたし

私は無意識のうちに捕らわれた

身勝手な行動に出た

 

私はついついヒートアップする

そのつもりはなくても

気づくと大きな声を出している

元来私は感情的なのだ

 

私は気づけない

不意に現れて私にすり替わる者に

捕らえるワタシは

「性格」「気性」で幕引きを図る

 

 

天邪鬼

 

楽しそうな人たち

声の大きな人たち

遊ぶ人たち

彼らを遠巻きに見ていた

 

「それどころではないのだ」

 

頭の中でそう呟いて鼻で笑った

それはどこか大義名分のようで

自分を守るための言い訳にも聞こえていた

無邪気な声に自分にないものを感じていた

 

どこか笑いを否定している

どこか遊びを否定している

どこか喜びを否定している

深刻なものに近づく方がラクになっている

 

「こっちに来ないか?」

彼らが声を掛けてくれた

一瞬動揺した、それでも抵抗する者がいて

私は丁重に断った

 

私は薄々気づいている、それでも見当は違う

気質、性格、心掛けのせいとは思えない

私の険しい表情、まゆあいの皺が物語る

私は自我を知らない

 

 

まゆあい

 

子どもの独り言は明るい

まるで異次元にいる自分との会話

鏡の私をどう見ていたのだろう?

そこにあったのは確かに私のもの

 

映り込んだ顔

神経質な顔

陽を浴びて出来た皺とは別の

青白いまゆあいの皺

 

深刻さが何をしたのか?

何かを成し遂げたのか?

奪うことしかできないものを

私は握り締めている

 

あたかもそれが私を守るかのように

それが何かを成し遂げるかのように

あたかもそれが仕事であるかのように

真っ当な人間の態度であるかのように

 

映り込んだ顔

あの頃とは別物

乗っ取られた顔

自我の顔

 

 

性格

 

言葉はそれを指す仮のものなのだから

「性格」と表現しても構わない

それでもすでに適当な言葉がある

人目を嫌う「自我」という言葉が

 

「自分の性格が嫌になる」

あなたは嘆いていた

それでもあなたはすでに見ている

離れた所から嫌なあなたを見ている

 

あなたに必要なことは強い自覚かもしれない

嫌なあなたとそれを見ているあなたは別物で

自我に同調したあなたと

それを見ているあなたは別物だと

 

強い自覚が同調に終わりを告げる

不幸にするものとあなたを切り離す

あなたは気づいていなくても

自我は怯え始めている

 

 

自我(エゴ)

 

私には「私」という感覚がある

あなたや彼や彼女ではない

「私」という自己意識がある

自己意識は「自我」と呼ばれた

 

これは運命の悪戯か?試練か?

自我は紛れたがる

それでも次の形容詞が暴露する

「自我が強い」「自我が弱い」「自我が薄い」

 

「私」という自己意識は変わらない

強くなったり、弱くなったり

薄くなったりはしない

「私」という自己意識が、ただある

 

「私」という自己意識とは別の

別の自我がある

私の中で強くなったり、弱くなったり

薄くなったりする

 

自覚を越えた私と一体になったものがある

「私」という自己意識とは別の

「自我」という言葉に紛れた自我が

私の中にある

 

 

けしかける

 

こんなに理不尽なことが起きている

これは問題だ!

こんなことが許されるのか?

(さあ、怒れ!)

 

私をけしかけた

私はけしかけられるまま

生まれた頃から一体の

それには抵抗も気づきもない

 

自我は本当に上手くやる

もっともなことを持ち出して

私の正義感や良心につけ込んで

私を怒りに導いた

 

自我は怒りを正当化し

私の意識の裏側で太った

さらに周到に誤魔化した

怒りを「人間らしいことだ」と

 

 

距離

 

「信じられない」

「あんなに感じのいい人が、普通の人が」

ボタンの掛け違いから、一瞬の出来事から

愛情のある人がある日、罪人になった

 

イライラしている

激烈なエネルギーが湧いて来る

すぐにでも吐き出したいエネルギーが

私を底から衝き上げる

 

湧き起こるままに

吐き出したいままにすると距離がなくなる

「イライラしている」

と思っていた私がいなくなる

 

湧き起こるエネルギー、吐き出したい欲求

私とそれとの距離がなくなり、タガが外れる

私には破滅への欲求もあるのかもしれない

「どうなるか見てみたい」

と言う私さえいるのだ

 

「魔が差す」と言われる

私の中に魔物がいる

距離がなくなれば瞬時にそれになり

怒りを撒き散らして傷を付ける

 

魔物と向き合う時に来ている

肉体を纏うと同時に纏ったそれを知り

それがいることを認め、距離を取る

やがてそれは私であり、私でないことを知る

 

 

鼻歌

 

しばらくすれば歌っている

私ならどうだろう?

いつまで持ち続けるだろう?

1日、2日、それ以上かもしれない

 

姿のない相手が現れる

怒りが蘇る

姿のない相手と戦う

失った分を取り戻そうとムキになる

 

明るく見えても能天気ではなく

細やかに心を配る

そんな彼女が鼻歌を歌うのはなぜだろう?

本心は分からない

 

それでもクヨクヨしているようには見えない

怒りを抑えるようにも

心掛けで歌っているようにも

歌う姿はとても自然に見える

 

そう言えば自然界の生き物と少し似ている

いつまでもクヨクヨしない

怒りを持ち続けたりはしない

喧嘩をしてもさっぱりとしている

 

彼らにあって私にないものは何だろう?

いつまでも持ち続けるのはなぜだろう?

姿のない相手と戦うのは

得体の知れぬ何かを取り戻そうとするのは

 

 

矛先

 

恨みはどこから来るのだろう?

相手から来るのか?

出来事から来るのか?

恨みの感情も思考もやって来る

 

相手からではなく、出来事からでもなく

感情と思考は私の中からやって来る

私ではない

それでも私の中からやって来る

 

「逆恨みで人を殺すなんてどうかしている!」

 

人は追及されても恨みの感情と思考の元に

核心に目は向かない

追及された人、した人

同じようなものかもしれない

 

自我は死角にいる

非難の矛先を自分には向けない

別の者に向ける

自我はそこにいる、あなたのいるところに

 

死角からあなたに忍び寄る

あなたになって仕事をする

自我に光は当たらない

自我になったあなたが自分を疑ったりはしない

 

 

疑いの力

 

成功哲学、経営哲学、人生哲学

「哲学がない!」

主義主張が哲学になったのか?

思想が哲学になったのか?

普遍的で客観的で論理的な

本質へと向かう思考の態度

それが哲学ではなかったのか?

 

哲学は頑なで危ない

哲学は勇ましい

哲学は良識であり、疑いの力

「哲学の時代」と社会が言う

常識や道徳さえも疑う哲学を

己の首に今にも噛み付こうとしている哲学を

社会は受容できるのか?

 

それでも世界は哲学を求め、良識を求める

哲学と良識

それは私に常識を越えた世界を見せる

理解と知覚を越えた可能性を見せる

私自身に疑いの目を向かせ

過ちと知った時に崩れてしまうかもしれない

私の礎にさえも意識を向かせる

 

勇敢な態度は奏功する

私は自我を知り、自我の罠を見つける

やがて見たことのない扉が開く

私は知らなかった繋がりを取り戻す

哲学と良識

それは意識の進化に

私と世界の進化に欠かせないものになる

 

 

事実の力

 

僅かな隙間がある

科学さえも越える余地がそこにある

自我は科学を特別なものにした

それでも私たちには良心が残っていた

 

「いいから信じろ!」と言われても

事実でないものは信じられない

都合の悪いことでも事実であれば納得できる

事実への信仰心はどこから来るのだろう?

 

「理屈じゃない」と言われても

理屈に合わなければ信じられない

科学的根拠はなくても

理屈に合えば納得できる

 

論理的であること

整合性が取れていること

嘘がないこと

納得できること

 

知性は文明発展の原動力になって来た

それでもそこに良心がなければ

私たちは破滅に向かっていたのかもしれない

どこから来るのだろう?

 

事実への信仰心は本能から来るのだろうか?

知性は良心の助けを受けて進化を飛躍させる

常識や科学さえも越えて

自我の幻想は暴かれる

 

 

小さな言動

 

子どもに大声は出さない

弱い者に手を出されても

攻撃されたとは思わない

小さな言動は私を脅かさない

 

それでも声を張り上げた

あの一言に

あの仕草に

小さな言動に

 

指を差した

しどろもどろに抵抗した

威嚇するように

身を守るように

 

怒りは恐れの裏返し

私は幻を見ている

傷付いたという幻を

実体以上に私は弱いという幻を

 

私は幻を見ている

幻を見せるものは言葉に紛れた

「プライド」

「自尊心」という言葉に

 

 

痛み

 

素直になるのは難しい

確かに覚えている

恐れのような抵抗感を

何かが「痛む」と言っている

 

目が合うと減るのか?

目つきが私を奪うのか?

舐められると傷が付くのか?

そこまで私は弱いのか?

 

「私の人生を否定するのか!」

あの一言に噛み付いた

あの一言が私を奪うのか?

否定されたら私はどうなるのか?

 

「減った」と言っている

「奪われた」と言っている

「傷付いた」と言っている

私の無意識で!

 

私は幻を見ている

幻を見る問題は自覚のないこと

見るだけではなく、生きている

幻のような痛みを確かに私は感じている

 

 

守る

 

鼻につく

虫が好かない

あいつの態度、出で立ちが

 

罪人でもない彼を

ささやかに愉しむ彼女を

どうして私は許せない?

 

「私の頃は、この頃は」

都合のいい常識、道徳

大袈裟なものを持ち出して何を守る?

 

これはあいつの問題

いや、私の問題

私とは別の私の問題

 

些細なことさえ許せない

頑なに私を守ろうとする

誰から何を守るのか?

 

 

回復

 

「あいつは頭が悪い」

「出来が悪い」

「センスがない」

「何も分かっていない」

 

すべてを捧げる人にそれを向けた

街中でもインターネットの中でも

そして頭の中でも

誹謗中傷は渦を巻いている

 

私が何を知るのか?

私に何ができるのか?

私が何をしているのか?

狂っているのか?

 

ブツブツ、ブツブツ言っている

その場を離れることができない

選ぶことさえできない

私は感情のなすがまま

 

見下すように、苛立つように

そして何かを回復するかのように

私は言葉を投げつける

無意識で何かが言っている

 

「私は不幸だ!」

 

気持ちが満たされない

私自身が充実しない

それをプライドや自尊心、充足感や何かの

「不足、欠如」と言えばいいのか?

 

しかし、何が足りない?

無意識で訴える

「不足している」「欠如している」

「私が可哀想だ」と

 

いつまでも私は非難する

どこまでも相手を下げる

まるで自分を上げるかのように

何かを回復するかのように

 

 

嘲笑う

 

煽るように現れて

私の横を走り抜けて行く

私はなぜか苛立っていた

その苛立ちは私の無意識

過剰な自己愛から来ていた

つまり私が「損なわれた」と

 

奪われていない

それでも奪われたと感じる

私の喪失感は本物か?

喪失感は存在する

それでも喪失していない

私の喪失感は本物か?

 

喪失感で追い駆けた

喪失感で追い詰めた

行く手を遮った

抗議するように、警告するように

何度も執拗に

取り戻すように

 

私たちを見て嘲笑う

「大人気ない」と言う私たちを見て

ヒトを責める私たちを見て

議論する私たちを見て

厳罰化する私たちを見て

喪失感を見せた者が嘲笑う

 

 

抵抗

 

小さな殻を破ること

殻ではなく、薄膜でも構わない

すぐさま言いたがる者がいる

「できない」「無理だ」と

 

「いや、違うんだ」

「というか」

「というよりも」

すぐさま撥ね付ける

 

少しも受け入れられない

私を守ろうとする

弱い私は少しも譲れない

譲ってしまえば私が無くなる

 

確かに私は弱い

しかし、そこまで弱いのか?

私の抵抗は過剰な自己愛

つまり自我から来ている

 

「ありがとう」が言えない

「ごめんなさい」が言えない

「こんにちは」も言えない

私からは言えない

 

教わることができない

世話になれない

素直になれない

他人の意見は受け入れられない

 

肩書きのない人

若い人

私の娘、私の息子

私が認めていない人の意見は尚更

 

認められないのは誰だろう?

私に違いない

それでも私でもない

認めたところで私は減らない

 

抵抗感を余所に認めれば学びは増える

可能性は拡がる

私は大きくなり

抵抗する者は小さくなる

 

自我は抵抗しても本心は受け入れる

魂は歓迎する

この世界と同じ

私は進化そのものなのだから

 

 

反射

 

「認めれば無くなる」

と思っている

自我は臆病なのかもしれない

自我になった私は少しも認められない

 

まるで反射するように私は咄嗟に抵抗した

観念しなければならない段階に来ても守る

言い訳をし、隠そうとした

それは当然のことかもしれない

 

「無くなる」と思っているのだから

それでも無くなりはしない

社会的地位、信用、名誉

持ち物は失っても存在は減りもしない

 

ニュースは連日世間を騒がせる

否認、虚偽、隠蔽

触れられることもなく、問題は隠れている

私と同じ臆病なものが

 

 

授賞式

 

「不名誉なことだ」

と言いながら受け取った

素直に喜べない

ただ受け取ることもできない

そうかと言って拒否もできない

 

誰かの施し、私への言葉

些細なものでも簡単に受け入れてはいけない

それを受け入れては私を守れない

受け入れた分だけ私が損なわれ

減るじゃないか!私が

 

私の持ち物

私の僅かな言動

それさえもケチをつけられては困る

私に傷が付き、私がえぐり取られ

減るじゃないか!私が

 

少しも譲れない

ケチと言うよりも私は臆病なのだ

損なわれたという幻影を

私は弱いという不実を見ているのだ

だから欲しい、少しでも私が欲しい

 

「不名誉なことだ」

と言いながら受け取った

それを受け取れば私が増える

肩書きと権威が私を補強し

私は増大するのだ

 

 

なりたがる

 

どこで受け入れたことなのか?

私は勝ちたがる

一番になりたがる

それが叶えば認められる

喜びを得られる

私は自信と誇りを手に入れる

 

敗者を作らなければ喜べないのか?

敗者を作らなければ認められないのか?

何が認められるのか?

私の努力、大きさ、存在か?

認められなければどうなるのか?

私が私でなくなるのか?

 

私は持ちたがる

プロフィール欄にずらりと並べた肩書き

それは私の存在

持たなければどうなるのか?

失えばどうなるのか?

私が減るのか?無くなるのか?

 

私はなりたがる

今の私ではない他の誰かに

理想の私に

私はいつも今を生きている

一瞬先でも後でもない今を

そんな私が今を否定してどうするのか?

 

なることで増える、持つことで増える

失うことで減る

私の増大と減少の感覚

それは事実か?幻か?

なりたがるのはなぜだろう?

持ちたがるのはなぜだろう?

 

 

傾向

 

傾向の話もいいものです

それでも事実に忠実に

起きたことで話してはどうでしょう?

その態度は自我の好きにさせません

 

かつては隣近所で助け合ったものだ

昔は弱い者をかばったものだ

男の人というのは

女の人というのは

近頃の若者は

何々世代の人間は

どこそこの国の人は

 

そこでしているのは飛躍です

事実の飛躍です

起きたことで話してはどうでしょう?

そうすれば飛躍はしません

 

自我は飛躍が好きなようです

事実の飛躍はもはや不実です

それでも気づきません

大の大人が夢中になります

 

虚構と幻影を見るようです

不実を事実のように

幻を実在するように

私たちの中にその傾向があります

 

 

安定

 

変わらないと思う物でさえ

見えない速さで朽ちて行く

諸行無常

それでも私は許せない

他人の心変わり、人生の方向転換

 

諸行無常

それでも私は求めていた

動きのない安定を

いつまで経っても手に入らなかった

頭の中にしかなかった

 

一瞬先でも後でもなく

私はいつも今を生きている

そんな私が安定を見ている

実在しない安定を

私は錯覚していたのか?

 

 

スタンダード

 

特別なものは要らない

スタンダードだけで構わない

長年探し回って来た

それでも見つからない

 

人によって言うこともすることも違う

少し違うこともあれば全く違うこともある

一体どこへ行けば見つかるのか?

私はスタンダードだけで構わないのに

 

普通、平均、一般、標準

空気のように水のようにありふれている

それでも掴めない

それはなぜだろう?

 

空気のように水のようにありふれている

それでも私は追いかける

追いかけた末に疲弊する

実在しない観念に過ぎないのだから

 

誰がそうさせるのだろう?

ないものをあるように見せる

見せるだけでは済まない

私を掻き回す

 

 

フィクション

 

「やっと眠ってくれた」と思ったのも束の間

「この子は目を覚ましてくれるのだろうか?」

「明日も会えるのだろうか?」と不安になる

子どもに対する母親の心配

それは本質的なものかもしれない

 

病弱でも屈強でも貧乏でも大富豪でも

例外がない

私は今を生きる者、保証のない今を

予測のできない最期を孕んだ今を

それでも事実が見えない

 

20歳の私は

「人生はこれからだ」と言った

40歳の私は

「人生の折り返し地点を過ぎた」と言った

80歳の私は「老い先が短い」と言った

 

一瞬先さえ知らない私が

いつまで生きるか分からない私がそう言った

私は事実を生きることができない

普通、平均

一般、標準という物語を生きている

 

幼子も老人も関係ない

私は今を生きる者、保証のない今を

私は突き付けられている

唐突に現れる最期を

私に年齢は関係ない

 

普通も平均も一般も標準も関係ない

医者ではない、研究者でもない

それを生業にしていない私には関係ない

初めての今を生きる

初めての私に過ぎない

 

 

比較

 

優れている、秀でている

劣っている、持っている

言葉にしなくても

頭に「誰かよりも」が付いている

誰かを用意してから私を知るのだ

 

何と回りくどい!

ありふれた教えとはいえ

これほど奇妙なことがよくできたものだ

誰かを用意しなくてもよかった

ただ私を知ることだった

 

私は私で、あなたはあなたで

似ていても違う

その違いは他になく

この世に一人を生きている

そこに比較は存在できない

 

違いが見えなかったのはなぜだろう?

違うものを同じに見たのはなぜだろう?

実体のない「みんな」を見たのは?

比較の中で喜ばず、もがいていたのは

誰がそうさせたのだろう?

 

 

事実の力 実在する力ⅲ

 

展覧会にて

 

『自由になれる』とは奇妙だ

『自由でいい』とは奇妙だ

自由があるにもかかわらず

『自由でなければならない』とは奇妙だ

「なければならない」は不自由だ

 

画家は言った

「自由です、何でもありです」

俳人は言った

「少しのルールさえ守っていれば自由です」

それでも付け足した

 

常套句でやってはならない

簡単過ぎる、いただけない

重複している、連想させる

そして最後に付け足した

「まぁ、自由なんですけどね」

 

何もないところに自ら作った

自由なところに自ら与えた

自ら付け足して雁字搦めになるまで縛り上げ

呻き声を上げた

「ああ、難しい」

 

何もないところに自ら与えた

日にちを、曜日を与えた

「今日は何の日」と物語まで付け足して

初めからあるように振る舞い、声を漏らした

「ああ、忙しい」

 

本来のないものを本来のものにした

本当ではないものを本当のものにした

真でも何でもないものを真のものにして

心は悦びを離れ、シリアスになり

自作の世界で自殺する

 

「人間はそういうものじゃないか」

「世の中はそういうものじゃないか」

「そういうもの」と言うのは飛躍している

飛躍の好きな者がいる

自由を奪う者がいる

 

 

べきねばならない

 

便利な言葉であったとしても

扱いには慎重さを要する

その慎重さは真っ当な恐れであり

存在としての私を守る

 

容易く言うな、「べきねばならない」と

副作用は途轍もない

じわじわと侵入し

自覚症状のないまま口を衝く

 

容易く言うな、「べきねばならない」と

私も世界も狭くする

吐く度に症状は進行する

まずは心、次に現実、体という具合に

 

容易く言うな、「べきねばならない」と

心の中であったとしても

それは巧みな仕掛け

正義や良心と似た見せかけの光に潜んでいる

 

容易く言うな、「べきねばならない」と

対極にいる者が狙っている

それは心を明け渡すということ

私を差し出すということだ!

 

 

空白

 

恋人がいても時間がなければ会えない

仕事があっても時間がなければできない

お金があっても時間がなければ意味がない

時間は命とも言える

 

時間は豊かさの上位にある

それでも私は耐えられない

お金はいくらでも欲しい

時間は違う

 

物語を生きる私は空白に耐えられない

物語とは意識の世界、観念の世界

人間が与えた後付けの情報

価値、意味、例えばあるべき姿

 

あるべき姿を生きる青年の私は

モラトリアムに耐えられない

あるべき姿を生きる老人の私は

退職後の自由に耐えられない

 

空白を前に物語を生きる私は落ち着きを失う

疚しさまでも感じている

存在の世界で私は自由で

意識の世界で縛られる

 

空白の中で落ち着きを取り戻す時

私の意識は存在の世界に帰る

存在の世界、そこは私の故郷

私は物語の住人から自然界の住人に帰る

 

 

進化論

 

確かに理由はあった、必要に迫られていた

それでもそこにはなかった

ないところに私はルールを置いた

初めての掟破りだったのかもしれない

掟とは良心の事

私は事実、現実に背いた

 

「ない」という事実、現実に背いた行い

私は薄々気づいていたのだろうか?

自分の僅かな行いが世界を変えてしまう事に

私は目を瞑ったのかもしれない

その行いは強引で暴力にも似ていた

元々「ない世界」に強制力を与えたのだから

 

慣れるのも大変だったに違いない

ルールの外がいつもの世界で

中は仮想世界に過ぎない

自作とは言え、ひとまず受け入れたとは言え

自由な私が縛られるのは

奇妙な感覚だったに違いない

 

それでも子どもがごっこ遊びをするように

訳もなく慣れてしまったのだろうか?

役を演じるうちに役に入り込んだ

いつしか夢中になっていた

自作である事も

ひとまず受け入れた事も忘れていた

 

そして何と!

外側が消えていたのだ

没頭するうちにいつもの世界が消えていた

何という信念の強さ!何という適応力!

世界は内側の世界一つになってしまった

私は役そのものになっていた

 

さらに進化した

それは独自の進化

ルールに使われた

自作の道具が私の主人になったのだ

私は様々なものたちの奴隷になった

例えば時間、お金、習慣、伝統の

 

ルールは暴走した

自分の領域を勝手に拡げてしまった

ある種の振る舞いを越えた振る舞いに

そして遂には心の中にまで

それ以上に驚いたのは

私がそれを受け入れた事かもしれない

 

「べき」「ねばならない」

あるべき姿

今度は実在しない観念が私の主人になった

あるべき姿から外れた私は

自己否定するようになった

私は力を失い始めた

 

ルールが暴走したりするのだろうか?

私の中にいる者が

虚構と幻影を見せたに過ぎない

見せただけでは済まない

私の心から自由を奪い

ありのままの私を奪ってしまったのだ

 

私は忘れてしまった

ルールの中身

自作だった事

役者だった事

外側の世界

私は全部忘れてしまった

 

 

一筋の光

 

世間の足音がする

身を守るように私は遮った

それでも透ける明かり

漏れる光

 

抜け出せない、やめられない

あいつが悪い、環境が悪い

自業自得

もう遅い、私だけ

 

社会人として、男として、女として

「何十代でしておくべきこと」

他人や社会からの要求

誰かの価値観、あるべき姿

 

私のような誰かの作り物

時代や場所で変わるもの

それを変わらないものにしたのは私

受け入れたのも私、外れてしまったのも私

 

守るべきものだったのか?

守るべきは社会のルール

ある種の振る舞い

必要以上に受け入れたのはなぜだろう?

 

「べきもの」ではないものを

「べきもの」と見たのは

「ねばならないもの」ではないものを

「ねばならないもの」と見たのは

 

私を閉じ込める者がいる

事実と別の物語に

光も広がりもない部屋に

往復するだけの狭い世界に

 

それでも透けている、漏れている

光はそこにある

遮っているのは私

私に不実、幻を見せた者

 

 

ないならないなりに

 

昨日の仕事に手を加えた

確かに納得した仕事に

他人の仕事にするように

私は一人でも成長する

 

テレビを見ないなら見ないなりに

新聞を読まないなら読まないなりに

本を読まないなら読まないなりに

ないならないなりに成長する

 

ある時とは別の成長をする

常識では測れないだけで

今は知らないだけで

意図の届かないところで成長する

 

この世界は進化そのもの

私はこの世界の子ども

留まることはできない

後退もできない

 

家族がないならないなりに

仕事がないならないなりに

友達がないならないなりに

お金がないならないなりに

 

ただ失った訳ではなく

何もしていない訳ではなく

常識では測れないだけで

今は知らないだけで

 

ないならないなりに成長する

私はこの世界の子ども

留まることはできない

後退もできない

 

 

宇宙人

 

今日も目が覚めた

この世界を生きる許可が出た

今日はどんな仕事をするのだろう?

私と世界にどんな経験を重ねるのだろう?

 

それにしても眠りは凄い

とても軽い!

蓄積したものが消えている

私は眠りの世界で何をしたのか?

 

時計の針が世界を換えた

自然界から社会へ、宇宙から日常へ

労働の中で私は消えた

自然界からも宇宙からも

 

草木や鳥の多いこの街でも

私には自然が見えない

太陽が燦燦としても白い月がそこにあっても

私には宇宙が見えない

 

昼と夜の狭間

私は自然界へ帰って行く

明るいようで暗いオレンジと

強いようで儚い赤に誘われて

 

空が夜で埋め尽くされる頃

星たちが姿を現し、宇宙になる

夜風が宇宙の風に、静けさが宇宙の沈黙に

虫の音が命のサインに、私は宇宙の一員に

 

 

似合わない

 

大宇宙で遠慮する

大宇宙で卑下する

大宇宙で諦める

 

大宇宙でふるいに掛けられ

大宇宙で粗末にされ

大宇宙で惨めになり

大宇宙で悲しくなる

 

宇宙創生から戦い続けた

生まれる前も生まれてからも

あっちであればあなたはいない

そんな数多の岐路をくぐり抜けた

気づけば無敗!存在の奇跡

人智を超えた宇宙の歴史すべてを抱えて

あなたは今、歴史の先端に立っている!

 

そんなあなたが遠慮する

そんなあなたが卑下する

そんなあなたが諦める

 

そんなあなたがふるいに掛けられ

そんなあなたが粗末にされ

そんなあなたが惨めになり

そんなあなたが悲しくなる

 

 

暮らし

 

気づかない優しさ、気づかない強さ

手を引いてくれた母

気づかない強さ、気づかない優しさ

繋いでくれる地球

 

母のような、引力のような

大気のような、水のような

言葉のない愛情、優しさ、豊かさ

「生命」「地球」「宇宙」「世界」

 

日常で、馴染んでいて、そのもので

それでも大袈裟に感じている

その言葉に違和感を覚えている

存在はそこにあっても意識はどこかにある

 

生きることがどれほど過酷なことか

私たちは忘れてしまったのかもしれない

天体に生きている、その事実さえも

いや、初めから知らないのかもしれない

 

宇宙の子ども、地球人

平凡な暮らしがどこに

代わり映えしない日々がどこに

「価値がない」と言う者がどこに

 

子どもたちの声がしている

おはよう

さようなら

いってきます

 

ただいま

いただきます

おいしいね

ありがとう

 

 

日常

 

青い空、ギラギラした太陽、白い月

職場はその間

私は地球の営業マン

 

金星は「明けの明星、宵の明星」と呼ばれる

火星も、水星も、木星も、土星も

実は見える、それでも遠い天体

 

金星の日はウキウキする

土星の日と太陽の日はみんなが大好きで

月の日は少し憂鬱になる

 

火星の日は散髪屋の定休日

水星の日はスーパーの特売日

木星の日は歯医者の休診日

 

太陽と、月と、金星は馴染みがある

火星も、水星も、木星も、土星も

実は身近にある

それでもやっぱり遠くにある

 

 

天体

 

待ちに待った連休

予定はすべて埋めた

行ったことのない所へ行く

できるだけ遠くに、できるだけ新しい所へ

私の目は釘付け

テーマパーク、リゾート、レジャーに夢中

 

私は「幸せの形」を追いかけた

私の存在は広大な宇宙に生きても

私の意識は手狭な物語を生きている

私には実在する世界が見えない

天体に生きている事実が見えない

そんな私は夜空を見ない

 

プラネタリウムと同じか

プラネタリウムよりもつまらない

私には名前と物語の付いた星座

実体がないかもしれないその命の面影は

私には見えないのだ

私の意識の外側で太古の光が消え残る

 

 

さすらい

 

根っからの旅人です

生涯旅をします

瞬間の中で初めての場所を訪れます

私に二度目はありません

帰る場所はありません

 

私は地球に乗って銀河を旅します

太陽や月、仲間の天体と一緒に

銀河も私を乗せて宇宙を旅します

私はずっと宇宙を旅しているのです

「漂流している」と言っても構いません

 

太陽が東から昇って西へ沈みます

同じ場所に戻ってまた一日が始まります

一年が過ぎて

同じ場所に戻ってまた一年が始まります

それは不可能なのです

 

「何年に何度目の」はありません

彗星も日蝕も月蝕も

ニュースにならない日もそれっきりです

成人式だけが一生に一度ではなく

この瞬間も一生に一度なのです

 

私は流れます

後戻りを知らない流れです

もう一回を知らない流れです

停止を知らない変化です

それを知っているのは私の思考と感覚です

 

「屁理屈」「非常識」何でも結構です

生まれて来られた特権を行使したいだけです

人間の物語を離れて旅を楽しみたいだけです

それを可能にしてくれるのは何の変哲もない

解釈の少ない事実です

 

 

ここはどこ 私は誰

 

「どこにいるのだろう?」

と言っても基準がなければ分からない

全体が分からない

だから基準を作ることもできない

私はこの宇宙のどこにいるのだろう?

 

どこから来たのだろう?

どこへ行くのだろう?

私も、あなたも、地球も、世界も

ここにいること

生まれること、生きていること、死ぬこと

 

何も分からないじゃないか!

単純で肝心なことが分からない

それでも私は心笑顔

「分からないことは気味が悪い」

とまで言ったのだ

 

私には良心がある

それでもそこにあるのは「べきもの」でも

「ねばならないもの」でもない

私には信じられない、思わず口にするほど

「べき」「ねばならない」はあるのか?

 

何も分からない私とこの世界に

絶対的なそれが存在するのか?

「べき」「ねばならない」

私がそれを見るのはなぜだろう?

必要以上に受け入れるのはなぜだろう?

 

何がそうさせるのか?

「見るべき」「知るべき」

「読むべき」「驚くべき」

ああ、また言っている

度が過ぎる

 

 

リンチ(系譜)

 

品格を相手に求める時

もはや品格のある行いとは呼べない

「道徳的であれ」と相手に求める時

もはや道徳的な行いとは呼べない

 

私の良心を利用し、支配の手段に使ったのだ

 

「本来、すべきだったのではないですか?」

「本来、あってはならないことです」

「本来はしなければなりません」

 

そこにあるのは良心に見える

それでも動かすものは違う

「思い通りにしたい」「支配したい」

という欲求に違いない

 

そこにあるのは道徳に見える

それでも動かすものは違う

暴力のようなもの

事実でもない嘘のようなもの

 

本来のないものに「本来は」と言った

「べき」「ねばならない」から外れたものに

「べき」「ねばならない」と言った

 

本来とは何か?

「べき」「ねばならない」とは何か?

自我になった私が

自分の「間違い」に目を向けたりはしない

 

欺いてまでも支配したいのか?

私では飽き足らず、他人をも支配するのか?

意識の届かないところで私は裁こうとした

法を犯した訳でもないその人を

 

 

真実

 

真実には注意が要る

「真実」という言葉を吐きたがる心には

その心は支配的傾向が強い

絶対で究極のものは有無を言わせない

 

真実は都合がよく、自覚のないもの

他の者になれない者が

すべての視点を持たない者が

どうして真実を知るのか?

 

私にはちょうどいい言葉がある

脚色のない「事実」という言葉が

真実には注意が要る

それはエゴの温床になりかねない

 

 

理屈を生きる

 

実体に存在するのか?

「何々主義」「何々イズム」が

「何々主義」「何々イズム」が

実体にしているのか?

 

実体を動かしているのか?

現実を、世界を

「人間が動かしている」

とでも言うのか?

 

理屈の美しさに魅せられた

世界情勢を分析する専門家の

その巧みな語り口にうっとりした

私は実体のように理屈を見ていた

 

「科学的根拠はあるのですか?」

得体の知れないものにすぐさま反論した

私の科学は完成品

科学的根拠がないだけで退けた

 

私は医学で出来ている

いや、医学をはみ出している

私は自然の理屈で出来ている

それでも意識はヒトの理屈で出来ている

 

「クジラの子をイルカが育てた」

とニュースになっている

「種」も「属」も違う者が群れを成すこと

「これは奇跡だ!」と

私には事実よりも自前の理屈なのだ

 

 

名前

 

「枝」と言った時に分離した

枝でないものが枝になり

枝とその他になった

 

名前を付けた途端に分離した

繋がりが切れた

事実、実体を離れた

 

それでも気にならない

「分離」「虚構」「幻影」

私にはお手のもの

 

嘘を嘘と知る必要がある

名前も実体を解釈するための理屈も

実体とは違うのだと

現実とは違うのだと

 

私にはその強い自覚が要るのだろう

さもなければ信じた世界を生きる

名前も理屈も実体とは違う

現実とは違う

 

それでも気を落とすのは可笑しい

過不足なく表現できないだけで

把握できないだけで

実体も現実もここにある

 

 

催眠

 

「本来の日本語からすると間違っている」

 

エゴは言葉を本来のものにした

常識も科学も

教科書も正しさも

 

「人生のレール」「幸せの形」

ルール、しきたり、主義、教え

エゴは本来のものにした

 

あらゆるものが進化しても

それらはフリーズしたがる

ヒトは知的な生き物だとしても

エゴは更にその上を行く

 

進化を知らない

エゴを知らない

事実さえも私は知らない

気づけないのだ

 

 

役者

 

男として、女として

何十代を生きる者として

一家の誰として

組織の誰として

 

私は肩書きを演じる

与えられたそばから熱演する

たとえそれが役であっても

不確かなそれであっても

 

ラベルを、レッテルを生きる

原因不明の何かでも実体に及ばぬ何かでも

不明の何かに与えた仮の名前でも

私は名前を生き始める

 

不確かなものでも「そういうものだ」と

「人生のレール」を「幸せの形」を

確かなものにする

自我は虚構の世界に私を閉じ込めた

 

私は気づかない

はみ出した私は疚しさを感じ、劣等感を覚え

惨めになることさえできる

それがいかに強力で幻惑的かを表している

 

不確かなものを確かなものにして

細胞は見事に演じ切る

役者であることも物語であることも忘れ

細胞は作中で生涯を閉じる

 

 

閉じる世界

 

ルール、しきたり、主義、教え

あらゆる価値が示している

いかに絶対化しやすい生き物かを

 

あらゆる集団が

設えものが示している

いかに保持しやすい生き物かを

 

自作の世界に私を閉じ込めた

自作の世界を絶対化し

自作の事実を消し去った

 

自分を閉じ込めた世界

私はそれを頑なに守り始める

あたかもそれが私自身であるかのように

 

設えものを強化し

真のものにし

正義にしさえする

 

私はいよいよ固く閉ざしてしまう

帰属するものを決して譲らない

愛郷心のようなものがさらに事を複雑にする

 

愛する心は倒錯的になり、排他的になる

それは行き過ぎた個人の自己愛と似ている

相手の影を育て、殺しさえする

 

私は気づくのだろうか?

設えものを本来のものにする

エゴの企みに

 

この世界のあらゆる問題が示している

問題はヒトなしにあり得ないことを

自然は元々調和の世界であることを

 

私たちは固く閉ざした世界を飛び出し

私たちにしている

繋がりの事実を生きる時に来ている

 

 

問題

 

1万メートル下、10万メートル下

海の底、奈落の底、そこは大丈夫か?

ここは繋がりの世界

私と無関係ではないのだ

 

1万メートル下、10万メートル下

土の中、光熱の岩、そこは大丈夫か?

そこはずっと広い世界

油断はできない

 

大気圏は大丈夫か?

宇宙空間は大丈夫か?

光年先は大丈夫か?

頭上は大丈夫か?

 

地軸は大丈夫か?

時空は大丈夫か?

原子、分子、ミクロの世界

そこは大丈夫か?

 

そこに何かあっても何もしてやれない

私は無力な存在

いや、存在は強力だ

だから存在している

 

私の周りにあって遠くにないもの

問題は奇妙だ

1万メートル下、10万メートル下

そこに深刻さがあるのか?懸念があるのか?

 

確かにそこには懸念がある

そこにある問題が私たちを揺さぶりかねない

それでも今日のニュースが、巷の問題が

どれほど私たちから離れているのだろう?

 

まるでこの世界は一つの生命体

調和の世界

私は何をしているのか?

「問題だ、深刻だ、油断はできない」と

 

存在は強力だ

世界が私たちを存在させるのだから

太陽のように私たちの存在は正しい

狂っているのは私たちを支配する方

 

問題があるのは私たちの周り

存在に及ばぬ考え、行い、感覚、意識

肉体を纏うと同時に纏ったそこにある

エゴの方にある

 

 

影法師

 

一体になろうとしなくても

すでに自然じゃないか

感じようとしなくても

すでに自然じゃないか

 

自然でなければ何だろう?

自然でないものがこの世にあるのか?

すでに自然じゃないか

体、心、私の存在

 

自然じゃないのは

考え、行い、感覚、私の意識

考え、行い、感覚、意識

それさえも自然じゃないか

 

自然でないものがこの世にあるのか?

あるとすれば私のこの考え

「あるとすれば」という

無いものをあるものにする私の考え

 

一体になろうとする、感じようとする

自然と一つになろうとする

私の考え、私の行い、私の感覚

私の意識じゃないか

 

自然でないものがこの世にあるのか?

それでも遅れている

考え、行い、感覚、意識

それらは存在から遅れ、存在から離れている

 

私は社会に生きている

あたかも自然界とは別の社会に

存在は事実を生きても

意識は事実を離れている

 

 

化け物

 

「私の車」と言う時も

「私の命」と言う時も違いがない

そこに潜んでいる

私の命とは何だろう?

命なしに私はあり得ない

私と命は一体のものなのだから

 

「自然はいいね」

「自然は素晴らしい」

「自然を相手にするのは大変だ」

無機質な人工物も最先端のテクノロジーも

すべてが自然の子ども

それでも離れている

 

私の中にいるものが

切り離せないものから私を切り離した

いや、切り離せない

切り離されて生きてはいられない

命からも、自然からも

私を意識の上で切り離したのだ

 

切り離された私が奪った

命からも、自然からも分離した私が

命を奪った、自然を奪った

宇宙空間にさえも手を出そうとした

まるで化け物、異物

進化の途上にある克服される矛盾状態

 

身を潜めるものがいる

私の中に、人類の問題に

エゴという言葉に

そこに潜む私のエゴが

切り離せないものから私を切り離した

そして私になって仕事をした

 

話し合いでは解決できない

外側ではなく、内側にある

誰もが別の生き物を抱えている

あるいは既にそのものになっている

決して周知されない人類特有の病

克服されるものは個々の内側に

 

 

エイリアン

 

既知の脅威に怯えて

未知の脅威に気づかない

見える脅威は存在して

見えない脅威は存在しない

身近な脅威に晒されて

遠くの脅威から守られる

 

未知なるものの確かな営みで

これまで世界は存在し

地球も私も生きている

それでも私は知らない

繋がりの世界に生きていること

人知を超えて生きていること

 

存在は意識とは無関係に既にここにある

意識は存在に依存しながら

実在しないどこかにある

私はガタガタと震えている

身近な脅威に晒されて

遠くの脅威から守られて

 

 

この辺り

 

歴史の話は退屈です

同じような時代の

同じような話ばかりです

この辺りの話ばかりです

 

この辺りしか知らないから当然です

知っていることで話すから当然です

それでも錯覚します

この辺りで出来ているように

この辺りで生きているように

 

私の存在は広い世界に生きています

繋がりの世界に生きています

それでも意識は狭い世界に

途切れた世界に生きています

 

思い入れの強さが、させるのかもしれません

私はこの辺りに拘ります

いえ、そもそも意識はこの辺りだけです

私のルーツはあたかもこの辺りです

 

この辺りで歓びます

この辺りで団結します

この辺りで「関わりがない」と錯覚します

この辺りで殺します

 

ルーツは途切れません

縦にも横にも斜めにも

全く途切れるものではありません

それでも私のルーツは途切れます

 

自我は繋がりを知りません

繋がりを生きている私の存在、事実を

 

 

ルーツ

 

私には想像力という特殊能力がある

肉眼では捕えられないものが見えて

ここではないどこかへも行ける

この特殊能力はまさにこういう時の為にある

私のルーツ

 

親、祖父母、親戚、親族

家系図を越えることは簡単

国境を越えた、人種を越えた

人類の起源、生命の起源、地球の起源

どこまでも遡った

 

私のルーツも他のルーツと繋がった

「純血」「優秀な血筋」「由緒正しい家系」

都合よく切り取られた部分

切り取ることのできない全体の一部

切り取られて存在できない幻

 

幻が残っていられるのはなぜだろう?

力を持っていられるのはなぜだろう?

誰かよりも優れていなければ認められない

「誰かよりも」を付けなければ認められない

特有の性質がある為

 

切り離せないものから意識の上で切り離し

意識の上で繋がりを断ってしまう

特有の性質がある為

終わりのない虚構と幻影に眠る

特有の性質がある為

 

だから残っていられる

都合よく切り取られた部分でも

実在できない幻でも

事実ではない不実でも

大宇宙に生まれた私たちを支配していられる

 

 

トマト

 

私は音楽です

奥底で響くあのメロディです

私は言葉です

あなたがくれたあの一言です

私はあなたです

私にくれたあなたとの日々です

 

私はトマトです

あの日に食べたあのトマトです

私は雨です

畑に落ちた適量の水蒸気です

私は土です

あのトマトにした知恵の結晶です

 

私は友人です

あのトマトを育てた同級生です

私はおばさんです

友人の優しいお母さんです

私は繋がりです

あのトマトにしたすべてです

 

私はトマトです

ヨーロッパから来たあのトマトです

私は船です

インド洋を経由したあの運搬船です

私は麻糸です

キャラック船のあの帆です

 

私はアンデス地方です

遥か昔のトマトの原産地です

私は青年です

誇り高い遠い異国の農夫です

私は太陽です

高原に降り注いだ水素の結晶です

 

私は何かです

トマトの種となった何かです

私は山です、海です、風です

途切れることのない

理解も知覚も及ばない

時空を超えたすべてです

 

 

事実の力 実在する力ⅳ

 

さりげなく

 

語れば語るほど

断言すればするほど嘘になる

自然のように、世界のようにありたい

自然は、世界はさりげない

黙々と自分を生きている

存在も行動も仕事も一致している

それでいて完璧で

それぞれが完璧な仕事をする

だから停止しない、生きている

繋がりとして生きている、進化する

 

私はあからさま

こんなにできる

あの人よりもできる

凄いだろう?

見てくれ、認めてくれ

これでは足りない、割に合わない

こんなものも見つけた

あんなものも明らかにした

私はとても喧しい

その上、他の誰かになりたがる

 

生きている私のようにありたい

存在としての私はさりげない

黙々と自分を生きている

存在も行動も仕事も一致している

それでいて完璧で

それぞれが完璧な仕事をする

だから停止しない、生きている

繋がりとして生きている、成長する

私を作る細胞や微生物のこと

生きている私のこと

 

 

 

ブツブツ言っている

語気を強める

心配だ、大変だ、敵わない

気をつけないと

 

「べき」「ねばならない」が口癖

自分の話をする、べらべらする

それでも喜ばせることはできない

元気づけることもできない

 

声に出なくても喋る

頭の中で四六時中

他人に話すことと同じ

自分を喜ばせることができない

 

何を話しているのか分からなくても

壁越しでもトーンだけでも不愉快にさせる

怒り、悲しみ、恐れ、後悔

負の感情からの言葉

 

色んな声で喋る

それでも子どもの笑い声が出ない

「くくく」と冷笑する

それは自我の声

 

基本的に穏やかで寡黙で存在感がない

それでも存在そのもの

それは存在としての私の声

子どもの声で笑うのは誰だろう?

 

 

無知

 

37兆とも言われる細胞

100兆を越える微生物

その正体、仕事

心の在りか

イシキの仕組み

 

脳細胞でイシキが生まれるとすれば

水やタンパク質、脂質や核酸や糖の塊が

どうして私の世界を構築できるのか?

骨、肉、筋、皮膚、神経、臓器

起きていること、生きていること

 

「分からない」

支配などできていない

なぜか生きている

まるで他人事

それでも事実

 

心臓は鼓動し、私は呼吸する

理解と意図を越えたところで私が生きる

それでも「私がしている」と思っていた

どうやって生きているのか分からない

それにもかかわらず

 

私の中で誰かが思う

「私がしている」「知っている」

「支配している」と

「思い通りにできる」

「思い通りにしている」と

 

 

思いを越えたわたし 思い通りのワタシ

 

私が生きている

生きているところに私がいる

私が生きている

私の思いを越えて

 

思いを越えている

それは完全な超越

私の理解や発想

人知さえも超えた

 

私の存在は思いを越えている

それでも思い通りにしたがる私もいる

思い通りにしたがる私はよく怒る

思い通りにならない時にも私は怒る

 

私の中に2人の私がいる

思いを越えたわたしと思い通りのワタシ

思いを越えたわたしは大人しい

影が薄い、それでも存在そのもの

 

思い通りのワタシは五月蠅い

圧倒的な存在感、それでも存在感に過ぎない

それどころか存在を脅かそうとする

私の意識の下で

 

思い通りのワタシは思っている

「何でも思い通りにできる」

「思い通りにしている」と

理解を越えたこの命まで「支配している」と

 

「自分がしている」と思っている

思い通りのワタシは知らない

思い通りのワタシになった私は知らない

影の薄いわたしを、存在としてのわたしを

 

 

同調の終わり

 

水がなければ生きてはいられない

川がなければ生きてはいられない

雨がなければ生きてはいられない

雲がなければ生きてはいられない

 

海がなければ生きてはいられない

太陽がなければ生きてはいられない

空気がなければ生きてはいられない

山がなければ生きてはいられない

 

食べ物がなければ生きてはいられない

土がなければ生きてはいられない

重力がなければ生きてはいられない

何があるから、生きていられるのだろう?

 

理解を越えている

意図を越えている

思いを越えて私が生きている

「思い通りにならない」

私の中で騒いでいる者は狂っている

 

同調して騒ぐこともできる

怒りの感情になることも

騒いでいる者と一体化しつつも

思い通りになることなど

ほとんどないことも知っている

 

思い通りにならない

それでも生きている

関わりの中に私が生きている

世界は廻り、人生は展開し

現れた出来事から受け取り、私は成長する

 

騒ぐには知り過ぎてしまったのかもしれない

「思い通りにならない」と言う者

現れる怒りの感情と思考

私とそれらに切れ目が入り

同調に終わりを告げる

 

 

見ている私

 

今を生きる人は先人よりも進んでいるのか?

「我思う、故に我在り」

で知られるあの先人よりも

私たちは進んでいるのか?

 

イライラしている

くよくよしている

疑いを抱いている

この私は何だろう?

 

イライラする私の後ろに

くよくよする私の後ろに

疑う私の後ろに

私を見ている私がいるのだ

 

怒ろうが、悲しもうが、疑おうが

「それがどうした?」とでも言うように

それでも虚勢を張るのではなく

ただそこに佇む存在としての私がいる

 

怒りでも悲しみでも疑いでもない

現れる負の感情でも思考でもない

私は見ている私

存在としての私

 

 

切り離す

 

感情は私のものか?

思考は私のものか?

私のものであるなら

なぜ私は苦しむのだろう?

 

私のものであるなら

なぜ私は選べない?

私のものであるなら

なぜ離れられない?

 

感情と思考が頼りにならなければ

私は何を頼ればいいのだろう?

感情と思考が私でなければ

「私が無くなる」とでも言うのか?

 

感情と思考を切り離せ

私から切り離せ

私を苦しめるものなら

私は要らない

 

イライラする者を切り離せ

落ち着きのない者を切り離せ

鬱鬱とする者を切り離せ

思い通りにしたがる者を切り離せ

 

 

内なる子ども

 

失敗しても相手にしない

予定が変わっても気にしない

思い通りでなくても知らない

 

感情が揺らいでいる

敢えてゆっくりとする

敢えてじっくりとする

容易く乗らない

じらすくらいで構わない

離れたところから見る

騒ぎ立てる子どもを見る親の視線で

子どもは目が合うと大人しくなる

子どもと接するのと似ている

自我を相手にするにはそれ位の愛情が要る

 

 

悲劇

 

私には病がある

名もない深刻な病

あるいは深刻になりたがる病

 

黒一色でなければならない

黒一色に染めたがる私は言った

「全然違う」「最低最悪」「何もかもがダメ」

 

黒一色に染めたがる私は嘘吐きで

事実を飛躍させる

白があるにもかかわらず相手にしない

 

問題はこの嘘吐きを容認する私もいること

容認だけでは済まない

嘘吐きと同調し、同調が進めば同化する

 

あるものを見ない

受けている恵みを認めない

大袈裟に、深刻になろうとする

 

優位に立てない私は

惨めになることで特別になることもできる

「何と可哀想な私か」と自己承認しさえする

 

黒一色に染めたがる私は私で

私とも違う

私は黒一色に染めたがる私を見ている私

 

どちらにもなれる

同調して悲劇のヒロインにもなれる

離れて観ている見物人にもなれる

 

 

無意識的倒錯的

 

自己愛は訴える

「私が可哀想だ」と

だから私は怒る

悲しむ、惨めになる

 

自己愛は訴える

「不味いことになりそうだ」と

だから私は焦る

苛立つ、不安になる

 

自己愛は訴える

「私はとても深い傷を負った」と

だから私は妬む、恨む

いつまでも持ち続ける

 

自己愛は訴える

「私はとても弱っている」と

だから私は嘆き、ぼやき

「私を癒せ」と訴える

 

自己愛は訴える

「私は弱い、守ってやらねばならない」と

だから私は億劫になる

頑なになる、動けなくなる

 

自己愛は訴える、私の無意識で

だから私はなすがまま

それでも事実、そこまで私は弱くない

私はそのことも知らない

 

いや、どこかで知っている

その自己愛のこと、自我のことは

だから私は卑下する、自己嫌悪に陥る

「何と可哀想な私か」と自我を呼ぶ

 

「私を愛している!愛している!」と

自己愛は訴える、だから私は思う

「あの人のあの言動が気に入らない

(私と同じであれ)」と

 

大袈裟に、深刻に、神経質に

そして倒錯的に

自我の愛は歪んでいる

だから私は不幸になる

 

 

肥大

 

「過ぎたるは及ばざるが如し」

過ぎても足りない

過剰は不足を意味している

過剰な自己愛は寧ろ私を奪う

 

あまり疲れてはいけない

余裕がなくてもいけない

あまり遠慮するのもいけない

自己犠牲は最もいけない

 

「私が可哀想だ」

と太り始める

際限なく膨れ上がる

自己愛は盲目的になる

 

私を守ろうと怒る

私を守ろうと恐れる

私を守ろうと億劫になる

私を守ろうと頑なになる

 

遂には相手を下げる

相手を下げてまで自分を上げる

私が非難ばかりするのは

私の無意識、過剰な自己愛から来ている

 

幻まで見せる

「あいつのせいでこんなになった」と

「取り戻さなければならない」と

事実を飛躍させてまで私を守る

 

あまり怒ってはいけない

あまり恐れてもいけない

億劫になってもいけない

頑なになってもいけない

 

あまり焦ってもいけない

あまり嘆いてもいけない

ブツブツ言ってもいけない

思い通りにしたがるのもいけない

 

「いけない」と言ってもいけない

頭の中で言ってもいけない

「それではどうしろと言うのか!」

あまり飛躍してもいけない

 

自己愛は過剰になる

悦びがある、穏やかさがある

気楽さがある、大らかさがある

そこで自我は太れない

 

 

サーチライト

 

もう逃げられない

経歴、病歴、犯歴

表面上の理由、動機では誤魔化せない

その奥に光は当たっている

 

肌の色、性別、年齢を越え

誰もが狂暴な別の生き物を抱えている

気づかぬうちにそれは側に立っていて

私たちを呑み込んでしまう

 

自己愛という一見正当なものを由来に

正反対の行為に及ぶ

耳元で囁くように私たちをコントロールし

不実、幻を見せてまで回復しようとする

 

もう逃げられない

「一方的に恨みを募らせて」「身勝手な」

では済まされない

その奥に光は当たっている

 

「ねばならない」は相応しくなくても

可視化しなければならない

誰もが自我を知り

その扱いを知らなければならない

 

常に光を照射し、意識化しなければならない

さもなければ私たちはそれになり

隠れた自己愛の下

無差別に、そして自身をも奪うのだから

 

自我は歪んでいる

自尊心と呼ぼうが、プライドと呼ぼうが

得体の知れぬ何かを回復しようと何でもする

たとえ奇主を奪ってまでも

 

 

誰も知らない

 

生き血を吸う者にも違いがある

己を知る者は弁え、知らない者は奪い尽くす

それは寄生虫であることを知らない寄生虫

悪性細胞と似ているのかもしれない

 

彼らは知らない

太るほど痩せることを

奇主なしに生きられないことを

奇主の存在を

 

それは私の自我と似ている

負の感情と思考を通して私に苦しみを見せる

私が苦しみに同調する時、自我は太り

私は痩せる

 

自我はまさに自我そのもので

欲望のままに暴食する

そして完食する頃に消えてなくなる

何も知らずに自我も私もいなくなる

 

自我は知らない

太るほど痩せることを

奇主なしに生きられないことを

奇主の存在を

 

私は知らない

同調するほど痩せることを

自我になってしまうことを

自我の存在を

 

今日のニュースにも現れない

特異な自我の実態を

知られざる現実が明らかにしている

 

 

擁護

 

怒るのが当然じゃないか!

悲しむのが当然じゃないか!

恐れるのが当然じゃないか!

それが人間じゃないか!

感情のない人間など人間じゃない

 

私は話を飛躍させた

 

感情はコントロールできない

できないから苦労するんじゃないか!

今は大変な時

仕方がない、できる訳がない

 

私はすぐさま撥ね付けた

自我の代わりに言い訳をした

 

あなたは厳しい人だ

科学的根拠はあるのか?

誰がそんなことを言っているのか?誰が?

 

奪われているにもかかわらず

私は擁護した

私は自我を知らない

 

 

狭くなる

 

怒り、恐れ、焦り、悲しみ

私が負の感情に支配される時

私から広がりがなくなる

軽やかさがなくなる

私は狭くなる

 

私は心が狭いのだろうか?

いや、狭くする者がいる

まるで負の相関

エゴが膨れ上がる時、その分私は狭くなる

私の心、私の感覚、私の発想、私自身

 

私は周りが見えなくなる

力が入る、縮こまる

エゴが膨れ上がる時、そこに広がりはない

軽やかさはない

私は狭くなる

 

 

裸の木

 

今年も裸になる

毎年、裸になる

裸になることは知っている

子どもがそこで遊ぶのだから

 

窓の向こうにその木はある

ウグイスの声がする繁みの向こうに

その木の名前を私は知らない

服を纏うところを見たことがない

 

私の存在は開いている

可能性と自由な世界は広がる

それでも意識は閉ざしてしまう

私は狭い世界を生きている

 

「保守的」という言葉は相応しくない

拡がる宇宙で私は閉ざすのだから

見える目は持っている

視野に問題のない目は

 

それでも見えない

閉ざす者がいる

私が同調するほど

自我は私の世界を狭くした

 

窓の向こうにその木はある

ウグイスの声がする繁みの向こうに

その木のことを私は知らない

服を纏うところを見たことがない

 

 

 

酒に呑まれる

タバコに喫まれる

ギャンブルに狂う

 

暴食する

妄信する

自傷する

 

薬に溺れる

色に狂う

魔が差す

 

毒のようなものがある

私の欲求、信念、行動、習慣

どれもが自滅の要素を孕んでいて

優勢と劣勢は定まらず、奇妙に揺れている

 

まるで私自身が善悪、光と影

極め付きは悪性細胞かもしれない

それはすべてを奪うようなもの

それでも部分に対するものかもしれない

 

全体に対するものがある

感触のない薄皮のように私に貼り付き

意識の下で丸ごと私を奪うのだ

私には毒がある

自我という先天性の毒が

 

 

幼子

 

手足は悦びのままに遊ぶ

「べき」「ねばならない」がない

感情と振る舞いが一つ

心と体が一つ

 

他を知らない

私を知らない

分けることを知らない

一つを生きている

 

自然そのもので、世界そのものを生きている

「べき」を付けるのは相応しくなくても

敢えて言いたくなる

「大宇宙に生まれた者、そうあるべきだ」と

 

美しい時は束の間、意識は分離を始める

自分を生きるようになる

「こんなにできた」

とアピールするようになる

 

比較の中で自分を知る

意識の中で繋がりが途切れる

孤独を感じるようになる

苦しみの始まり、もう大人の仲間入り

 

 

 

命を頂いて生きている

ということだろうか?

ヒトが持って生まれた罪とは何だろう?

「自然から学びなさい」

かつての聖者はそう言ったという

 

いつものように向かいの犬は走り回り

庭のチューリップは風に揺れ

太陽は燦燦としている

彼らは彼らに見える

100%の自分で今を生きている

 

私は誰かの理想像、あるべき姿

今の私ではない他の誰かになりたがる

時流、普通

他人の視線が気になる

それになろうとさえする

 

体はあってもここにない

意識は過去と未来

ここではないどこかを

まるで迷子のように行き来する

それでも私は気づかない

 

持って生まれた罪があるとすれば

今にしか生きられない私が今にいない

私でしかいられない私が

私ではない

私のこの在り方かもしれない

 

持って生まれた罪があるとすれば

エゴのことかもしれない

エゴが齎す苦しみになすがまま

私はエゴを知らぬまま

深い眠りに就いたまま

 

 

接するには

 

睨みつけても、怒鳴りつけても

ブツブツ言っても

狙いは外れて私に返っている

私は意識の下で笑われる

 

自我から接すれば終わる

ワッとなって終わる

感染って終わる

太らせて終わる

 

腐敗する政治、日常の理不尽な出来事

自我から接すれば終わる

改善に向かうためのエネルギーは

少しも生産することなく、消えてしまう

 

問題と私、僅かでも接点がある

できることがある

地球に生まれた私の仕事

本心の思いを行動に換えること

 

自我から接すれば終わる

「時間がない」「お金がない」

「ないからできない」

ないものを見て終わる

 

心当たりがあっても

認めることもできずに終わる

 

 

飄々と粛々と

 

怒りを許すな

正義感、人間らしさで許すな

そこに紛れようとする

どんな隙間にでも侵入するならず者が

 

「声を荒げる」

というのは一つの症状だ

私たちは理性的な段階、成人なのだ

怒りっぽい、気が短い、感情的

 

感情という得体の知れないものに与えた

後付けの言葉を

当然のものだと、よくあることだと許すな

私たち現代人は科学の子どもなのだ

 

怒りと起きたことを切り離せ

怒りと事実を切り離せ

ならず者が釣ろうとしている

私たちを怒らせて太ろうとしている

 

すぐに飛び付くな

怒りと一つになるな

怒りからするな

相手の自我をも太らせる

 

飄々と粛々と

私たちは知性的な生命体

意志疎通のできる段階

声を荒げる理由など、何もないのだから

 

 

一息

 

私は一気にやりたがる

「少しずつ」が許せない

小さな前進、小さな創造

私の思考と感覚は「小さなもの」を

無きものと同じにしてしまう

 

私は悦びの力を知らない

自我の扱いを知らない

予定を優先に後回しにする

思い通りにしたがる者の言いなりに

一気に、切りのいい所までやりたがる

 

他人にするように

もてなすように心に与える

スイマーの息継ぎのように

花に水をやるように

合間に与える

 

「後で」

「切りのいい所までやってから」

思い通りにしたがる者を余所に与える

甘い物に悦ぶなら甘い物を少し

音楽に悦ぶなら好きな一曲を

 

疲れる前に与える

「私が可哀想だ」と膨れ上がる前に

一日の終わりには注意が要る

自我はそこにいる

今にも太り出そうとしている

 

気休めかもしれない

因果関係はなくても

相関関係はあるのだろうか?

口角を少し上げてみる

微笑みの場所で自我は太れない

 

 

残滓 ‐ザンサイ‐

 

君は退屈な顔

私が相槌を打たないから

怒りが湧いても悲しみが蘇っても

一瞥するだけで私は相手にしない

不安や嫉妬心が現れても

それは私でないことを知っている

 

「構って欲しい」

と君が放った感情に違いない

悦びから外れた感情というのは

君の臆病なところから来ている

言い換えれば自己愛から

それでも過剰だ

 

過剰であるが故に私は苦しくなる

まるでアレルギー

実体は感覚ほど弱くない

臆病というのは

「私は弱い」という幻に過ぎない

手を施さなくても治るものがある

 

君が寄こした感情を見る

君が寄こした感情と私を切り離し

私の中にいる君の存在を認める

今や残滓

私が君を知った時から

君は小さくなる以外になかったのだ

 

 

静かな世界

 

静寂からやって来た

暗闇のようなところから

そこはすべてがある暗闇

際限のない創造の場所

 

私の故郷であり、私そのもの

それでも私の中にいる者が

静寂や暗闇を

落ち着きのないものにしていた

 

高い空、澄み切った世界

風になった雲は刷毛目になる

見上げるうちに、私は衛星写真のように

宇宙から地球を見ていた

 

時空の音か?血の流れる音か?

耳鳴りよりも幽かな音がする

音は耳からする

私はそう思っていた

 

浮かんでは消えた

私のこと、他人のこと

終わったこと

起きるかどうかも分からないこと

 

身近なこと

突飛なこと

シリアスなこと

如何わしいこと

 

空想、物語

声のない独り言

止めどない思考の流れ、感情の騒めき

私はその中だった

 

「エゴ」という言葉のイメージは違う

日常に広く、深く影響している

止めどない思考の流れ、感情の騒めき

それに比べれば街の喧騒でさえも大人しい

 

まるで静物画の静けさ

着ていることさえ知らなかった

私は今ヴェールを脱いで、静かな世界に佇み

初めて空を見るように見ている

 

 

事実の力 実在する力ⅴ

 

風邪

 

どうやってお詫びをしようか

昨日からそれを考えていた

それでも「できる限りはやっておこう」

と続けた

驚いたことに今日の締め切りに間に合った

「不可能だろう」という私の考えと恐れ

それはまたしても現実には敵わなかったのだ

 

私は2、3日ぶりに解放されて

横になっている

熱は少し下がった

それでも頭は熱く、首から下は寒気がする

私は頭上の小窓を開けた

夜風で頭を冷やし、布団を鼻まで被った

真っ暗な部屋から星のない夜空を見上げた

 

冷たい風が気持ちいい

澄んだ空気が美味しい

微かな雨音が心地いい

熱が2、3度上がるだけで

これだけ体は狂ってしまう

なぜか色んな顔が浮かぶ、見たことのない顔

入れ替わり立ち替わり現れては消えて行く

 

どれも泣きながら何かを訴えている

そこにあるのは怒りか、悲しみか

意識が朦朧としているのか

本心の現れなのか

それは私には分からない

それにしても情報は少ないほどいい

真っ暗な部屋、星のない夜空、微かな雨音

 

世界がそこにあってイシキが映し出すのか

イシキが創り出した世界なのか

それは私には分からない

イシキの外には立てないのだから

いずれにしてもそれはどちらでもいい

私は情報の少ない空間で

イシキの世界を愉しんでいる

 

本当に上手くできている

どうしてこんなに馴染むのか

私は地球が吐き出した空気を深く吸い込んで

体の中の熱い空気を吐き出した

抵抗のない重力が私を世界に繋ぐ

体は回復に向かって生きている

世界と私の境目が少しなくなった

 

情報は少ないほどいいものかもしれない

昼間はごちゃごちゃし過ぎて処理できない

バタバタしていて

どこに生きているのかも分からない

思い通りになるかどうか

そればかりに囚われて浮き沈む

世界を味わうにはシンプルなほどいい

 

 

キャッチ

 

来ている

それでも弾いている

受け取ってしまえばそこから何か

変わるかもしれないというのに

 

助けを退ける

頼ることは悪いことだと信じている

私は知らない

恵みの意味も、どこから来るのかも

 

音も立てずに現れる

私の暮らしに入り込む

母の気遣いのように

そっと置いてある

 

恵みは来ている

ヒトの形の後ろから

何度も来ていてそこら辺に溢れている

私はそれに気づかない

 

気づいても弾く

弾いておいて

「足りない」

「何もいいことがない」と言う

 

私の恵みは一部に過ぎない

思い通りのものしか受け取れない

空き家に届いた手紙のように

来たものは夢となる

 

 

ハプニング

 

「出来事」という言葉は面白い

出て来た事で

まさに私の状況を表している

 

予測できるようでできない

理解と意図の向こう側から現れる

それは変えられない私の実態

 

私にできる事は気楽に構えて

出て来た事を受け止める

私にとって必要な事は

ハプニングを愉しむ事かもしれない

 

私はコントロールしようとする

形に、予定通りに拘る

「思い通りにする事で上手く行く」

と思っている

 

私は考えを優先しようとしている

実態から離れた私の考えを

「実態よりも考えの方が重要だ」

とでも言うのだろうか?

 

何と馬鹿げているのだろう

私の思考は実態に合わない

私は現実を知らない

 

 

現実

 

現実は過去

過去の私の信念、感情、思考、行動の結果

現実が教えてくれる

私の態度が正しいか

私の発想が正しいか

私の習慣が正しいか

 

私は現実のメッセージに気づかない

私は私を変えない

現実が変わるのを待っている

私は現実と闘う

「思い通りになれ」と

「私に従え」と

 

 

逃避

 

備えは必要に違いない

見通すことも懸念材料を減らすことも

同じくらい必要なのは

実態を受け入れることかもしれない

未来は支配できない、その実態を受け入れ

今を生きることかもしれない

 

困るとしても今日と明日は違う

過去からしか学べないとしても

過去と未来は違う

これまでそうでも次は分からない

前代未聞は当たり前

誰もが初めての今を生きている

 

困るとしても誰もが違う

平均化しても観念に過ぎない

困るとしても観念とは違う

私たちは実在するものであり

存在も、事実も、現実も、誰もが違う

初めての私たちに過ぎない

 

困るとしても分からない

分かりたくても分からない

どこから来て、どこへ行くのか

私も、あなたも、地球も、世界も

生まれること、生きていること、死ぬこと

単純なことさえ分からない

 

意識は逃避する

自我は都合のいい現実を見たがる

困るとしても事実を

実態から離れた考えより実態を

私たちは実態であり

事実を生きる者なのだから

 

 

知らぬが仏

 

こうしている間も宇宙は拡がる

新しい命が産まれる

新しいものが生み出される

一瞬の停止もなく私たちは成長し

文明も生命も世界も進化する

 

過去からしか学べないとしても

私は過去から学ぼうとする

創り出そうとするのではなく、習おうとする

答えや正しさが既に存在する、と思っている

自我は進化を知らない

 

自我になった私は留まる

変化を嫌う

古典や伝統を重んじる

私の存在やあらゆるものが未来へ向かっても

私の意識は過去へ向かいさえする

 

歴史を知っても知ることにはならないのか?

途上にあることは知っていてもまるで他人事

私の振る舞いはあたかも完成品

存在は進化しても意識は進化を知らない

 

私は鈍感なのかもしれない

いや、進化させるものが繊細で優しく

「優れている」と言った方が適切かもしれない

私は進化する

抵抗感も違和感も

それが起きていることも何も知らずに

 

 

ちぐはぐ

 

もっと食べたい

もっと飲みたい

もっと痩せたい

もっと太りたい

 

頭は何がいいか知っている

あるいは知っているつもり

体は完璧に知っている

それでも声がない

 

頭でも体でもない

喧しいのは私の欲求

頭でも体でもない

それでも仕えるのは欲求

 

私はお腹を壊してしまう

吐き戻してしまう

 

「もうダメだ、これ以上はマズイ!」

声のない体と心も遂には音を上げた

「そうは言ってもダメだ、やめられない」

社会人としての自覚と覚悟と責任において

 

体と心を置き去りに私でいられるのか?

それでも私は理屈に許してしまった

その方がまだマシだと

そして私は壊れてしまった

 

欲求が私に調和しない

頭が私に調和しない

体と心は調和する

調和も何もそれは私

 

 

聞いているのは

 

生命も、世界も、文明も

そして当然私の細胞も

すべては進化の中にある

それでも私は動けない

 

細胞はもっと動きたい

それでも鍵を握るのは私

私の自由意志

私の自我

 

体も心も動きたい

体も心も声を持たない

私が聞いているのは自我の声

過剰な恐れ、気の重さ

 

私は自分を知らない

信じない

信じるのは自我の声

私を奪う過剰な自己愛の声

 

私は錯覚している

心の声を聞いていると

聞いているの自我の声

私は動けない

 

 

パブロフの犬

 

これをするにはあれくらいかかる

面倒なことになる

これはツライ

なぜこんなことをしなければならないのか?

 

取り掛かる前はいつも難しい

何もしていない

何も見ていない

何も分からない

 

分からないうちから嫌気が差している

苛立ち始めている

逃げたくなって来る

幻を見て苦痛になって来る

 

いずれにしてもやらなければならない

しばらくすれば薄れていた

いつの間にか忘れていた

私は事を終えていた

 

取り掛かる前の気の重さも、苛立ちも

私の判断も解釈も、現実とは違う

それでも恐れる時と同じように忘れる

私は何度も忘れ、何度も囚われる

 

 

突き破る

 

「先の見えない不安」

閉塞感は付きもの

今ここという点状を生きているのだから

「難しさを感じる」

抵抗感は付きもの

今ここが進化する世界の先端なのだから

 

息を止めて全体重を預ける

跳ね返りを感じながら

それを上回るように押しながら衝いて行く

そして耐力の限界を越えた所で突き破る

何をするにも突破する感覚は付きもの

楽になれるのは解放されたその後

 

「私には足りない」

それは幻想に違いない

完全という幻を存在するように見ている

「手持ちの少なさから不安になる」

それは幻想に違いない

私は今の私で越えるのだから

 

やがて過ぎ去るとしても

またパブロフの犬となるのか?

天才と言われるバッターでさえも

朝飯前に成し遂げた訳じゃない

天職であっても努力がいる、疲れる

それでも私は楽にできると思っている

 

私は浅はかで鈍く、なかなか覚えない

歓迎しようじゃないか

突き破るための抵抗なのだから

クタクタになっても今夜私はまた死に

あっちの世界で英気を養って

明日にはまた生まれるのだから

 

 

声なきものの声を聞け

 

聞こえている

臆病な声

気の重い声

過剰な自己愛の声

 

声なきものの声を聞け

細胞の声を聞け

心の声を聞け

何が悦ぶか聞け

 

生かすものの声を聞け

私にしたものの声を聞け

進化の声を聞け

声なきものが私にしている

 

 

力強いこと

 

過去へは行けない、未来へも行けない

ここではないどこかへも

いつも今ここを生きている

 

順調な時、最低な時

全力疾走の時、眠っている時

中身は変わっても今ここにいる

 

私にできるのはそれだけ

今ここにいることが私のすべて

これほど力強いことがあるのか?

 

どれほど惨めでも、どれほど憐れでも

どれほど絶望的でも

私は今ここにいる

 

だから私は大丈夫

今ここにいること

私にできるのはそれだけ

 

 

完全

 

進化という自然の属性から来るものか?

不足を見る自我の属性から来るものか?

本来の私の姿

魂の記憶から来るものか?

 

私が完全を目指すのはなぜだろう?

私は不足を見ている段階

不足という存在しないものを

存在するように見ている

 

実体はここにある、現れているものがここに

現れているものは厳かで力強い

ここにあるのはそれだけなのだから

このシンプルな事が分からない

 

現れているものを、ただ知る事

それができない

現れているものを現れていないものと比べる

私の空想から生まれたものと比べる

 

ここにある

他のない、ただここにあるもの

それを強く認識する時

私はここにいる私を、ただ受け入れる

 

何から引かれる事のない私として受け入れる

私の念願の夢は遂に叶う!

今この瞬間に私は完全体の私になるのだ!

いや、完全も不完全もない私がいる

 

 

 

「綺麗な手をしているな」

おじさんはごつごつした分厚い手

後ろめたいような情けない気持ちになった

男にとって綺麗な手に何の価値があるのか?

 

土を知らない手

海を知らない手

酒を知らない手

旅を知らない手

 

喧嘩を知らない手

遊びを知らない手

子供を知らない手

世間を知らない手

 

私は「はっ」とした

思考の住人から存在の住人に戻った

「綺麗な手をしているな」

それだけじゃないか

 

恥じることは何もない

人間の物語を超えて私は生まれ

意識とも魂とも呼べるものを磨き

世界に育てられてここまで来たのだから

 

 

存在意義

 

親から生まれた子どもであり

国民であり

生活者であり

未成年で成人で

第二の人生を生きる者であり

 

私の意識は狭くても

空の向こうに宇宙があるように

私の存在意義はずっと大きい

私が気づいていなくても

存在はすでに宇宙にある

 

親の理屈で生まれたのではなく

国家の理屈で生きるのではなく

空の向こうに宇宙があるように

私は宇宙の理屈で生まれ

世界の理屈で生きている

 

 

なんにもない

 

意識はないものにある

意識はあるものにない

ないものがあるものになる時

私の意識から消えて行く

 

「どうかお願いです」

神にすがった私が事なきを得る時

八方塞がりの事態も終わりの見えない感情も

霧のように消えて行く

 

消えてしまった余韻に浸ることもなく

神にすがったことも

唐突に掬われたことも

あっけなく消えて行く

 

すでに私は新しい世界を生きている

新しいないものを見ようとしている

私の強かさと適応の早さに

神といえども呆れているに違いない

 

意識がなければあるものは見えない

あるものが見えなければ感謝できない

だから私は不満を言うのか?

沢山あっても「なんにもない」と

 

 

 

私が起きると朝刊は届いていた

辺鄙な我が家に電気とガスが来ていた

蛇口を捻れば水が落ちた

外に出れば道ができていた

信号や道路標識が立っていて

バスや電車を乗り継いで行きたい所へ行けた

 

混沌とした所に秩序が与えられ

きれいに整えられた

全部誰かがしたこと、私以外の誰かの仕事

身に付けている物、住んでいる所

私が使う物

全部誰かの発明で、全部誰かの作品

 

よく見れば日用品も質が高い

三次元の立体物

それでも対称的で歪みがなく

必要な形で必要な仕事をする

あるべくしてある色とデザインを纏い

磨きを掛けられて滑らかに艶を放っている

 

私の意識が届かない所へ届いている

精通した人たちの知識と技術

それに捧げた人生が

野菜、果物、魚、肉

調理された物

誰かが作って私が食べた

 

私は物を食べ、物を着て、物に住み

物に囲まれる

物には人がいる、知らない人生がある

命の繋がりが私を世界に繋ぐ

孤独ではいられない、事実に過ぎない

私の孤独感は幻かもしれない

 

 

誕生日

 

今日は私の誕生日

私を作ってくれた人に感謝をする日

手取り足取り教わる、背中から教わる

出来事から教わる

 

私の人生に色んな人が現れる

現れて、私を作って、去って行く

彼らの意図を越えて私は受け取り

私の意図を越えて誰かに与える

 

「人間は人と人の間で生きている」

道徳的要求を越えて関係性を生きている

それはこの世界の仕組み

選びようのない現実

 

「この世はコントラストの世界」と言われる

対照的な一方を知ることで

初めてその反対を知るのかもしれない

私を捕らえて放さなかった幻、孤独感

私はその対照を知るために

孤独感を知ったのか?

 

孤独感の反対は何だろう?

関係の中に生きる感じ

全体の中に生きる感じ

「一体感」とでも言うのか?

幻の反対は現

感覚はようやく現実を生きるのか?

 

 

愛らしい

 

居酒屋での他愛のない会話だった

誰かが断言した

「この世界は愛で出来ているんだよ」

「この世界は愛そのものなんだよ」

その言葉を聞いた途端

私は抵抗したい気分になった

 

名もない誰かの口調

私のいた場所がそうさせたのかもしれない

世の中には理不尽なことが沢山あって

苦しんでいる人が大勢いる

「何が愛か」

という気持ちもあったのかもしれない

 

幼い子が見ず知らずの私に手を振ってくれる

「はい」と言って

別の子は自分のお菓子を分けてくれる

その笑顔と仕草に気後れする私がいる

子どもたちを見ていると思う

確かに愛そのものかもしれない

 

子どもたちはよく笑い、よく走る

「自分にもあんな頃があったのだろうか?」

と不思議に思う

「やさしいね」

大人たちに言われた記憶が残っている

あの子のように私も手渡したのかもしれない

 

知ろうと思えばどこにでもある

愛らしいキャラクターやイラスト

可愛らしい形や色使い

子どもたちの乗り物やおもちゃ

目にはつかない包装紙にまで

至る所に「愛らしい」ものがある

 

形を持った私とこの世界は

「愛そのもの」とは言い難い

それでも学んだり

身に付けたりするのは可笑しい

覆っているものを取り去れば

思い出せば、あるものに気づけば

 

 

光と愛情

 

窓際へ行くとそこには先客がいた

小さなカメムシが日向ぼっこをしている

「申し訳ない」と思いながら

先客をそっと手の平に乗せた

すると光に向かって飛び立った

見えたのは一瞬で、すぐに光の中へ消えた

 

力に魅せられる時があっても

誠実さと勇気、強さと優しさ

光に魅せられて方向転換する

身勝手な時があっても

「このままではいけない」「役に立ちたい」

と軌道修正する

 

「争いは消えない」と口先で言っても

平穏な日々を望んでいる

うつむいたままでも

横になったままでも

やがてはまた立ち上がり

光を目指して歩き始める

 

「人は神に似ている」と言われる

神は光そのもの

そう言えば私もそうかもしれない

「人は神に似ている」と言われる

神は愛そのもの

私が愛そのものか?

 

私は西日本の出身

「愛」という言葉が気恥かしい

「愛情」と滲ませれば少しはマシになる

独り占めしようとする

そうかと思えば分け合う

痛ましい事件に悲しくなる

 

幼い子が被害に遭う事件や事故は特につらい

子どもたちの声につられて笑顔になる

自分のことでもないのに応援する

手を貸そうとする

誰かのために買って帰る、他人の無事を祈る

そう言えば私もそうかもしれない

 

 

よけてくれる

 

猫がよけてくれた

蟻がよけてくれた

犬を連れたおじさんがよけてくれた

毛虫がよけてくれた

 

ハトがよけてくれた

トカゲがよけてくれた

ダンゴムシがよけてくれた

対向車がよけてくれた

 

黄金蜘蛛がよけてくれた

殿様バッタがよけてくれた

天道虫がよけてくれた

隕石がよけてくれた

 

シオカラトンボがよけてくれた

ヤモリがよけてくれた

終末論がよけてくれた

未知の脅威がよけてくれた

 

人波がよけてくれた

みんながよけてくれた

モーセが海を割ったように

生まれてからずっと、生まれる前もずっと

 

「この世界は愛そのもの」と言われる

だから私はのんびりできるのか

そこへ果敢にも向かって来た

世界を震撼させた吸血鬼、モスキートが!

 

 

要素

 

裸の木は手を伸ばした

蝿と私は手を擦り合わせた

万人を喜ばせるのは難しい

それでも成し遂げる

1億5千万㎞向こうから

寒がりの私や暑がりのあなたにちょうどよく

 

これが宇宙の底力!

1億5千万㎞の距離感、愛情のある温もり

+-のように、凹凸のように

受け取る者とやって来る者

誘う者と誘われる者がいて

ピタリと嵌合する

マルハナバチと小菊のように

男と女のように、太陽と私たちのように

 

意図を越えて私は受け取る

栄養も水も空気も重力も

細胞の情報がそれを可能にする

与える者は知っていて持っている

トマトも川も山も地球も

私を知っている、私の要素を持っている

 

国境を越え、天体を越え、種を越え

与える者と受け取る者がいる

意識を超えて互いに知っている

同じ要素を持っている

それが証拠の一つかもしれない

繋がりの証拠

同じルーツを持つ証拠

同じ者である証拠

 

綿毛は風に乗って落下傘のように着地した

枯葉は吹き上げられて

あるべき場所へ積った

そこへ犬と子どもがやって来た

賑やかな声がしている

裸の木の下で遊んでいる

 

 

送電線

 

等間隔に止まって行く

後から来た者がその間に入って行く

大所帯で収まりが悪い

一段下に止まる者もいる

ツバメは70羽ほど集まって

集まったかと思えば

誰からともなく飛び立ってしまった

群れと言うほど纏まりはなく

バラバラと言うほどでもなく

 

群れを生きる者は自分を生きて

全体を生きている

全体という一つの生き物にもなれる

それはムクドリの群れを見ても明らかだろう

私たちもそれぞれを生きて

全体を生きているのかもしれない

意識は離れても無意識の全体を生きている

だからこそ方向性を持てたのだろう

例えば進化という一つの方向性を

 

私たちのエゴは随分膨れ上がってしまった

全体との繋がりを

意識の上で断つことに成功した

エゴが小さくなればまた全体と繋がれる

意識の繋がりを取り戻すことができる

人々の意識が全体と繋がる世界

それは確かに存在する世界

太古の人々が生きた

私たちにはこれからの世界

 

 

一つに

 

私にしているもの

生かしているもの

進化に向かわせるもの

 

心をくれたもの

悦びをくれたもの

違いをくれたもの

 

自由意志を貰い

自我を与えられた私は

全体からすれば暴走して来たのかもしれない

 

私が本心から生きる時

奥底の良心から生きる時

悦びの感情から生きる時

私はありのままの私になる

自然と世界と一つになる

 

私がありのままの私を生きる時

違いを与えた側の意図が果たされ

私は「この世に一人」を生きている

ありのままの私が創造的に生きる時

私はようやく全体の意志と一つになる

 

 

そして進化する

 

「自我になる」とは奇妙な表現だ

果たしてそれが自我と言えるのか?

 

かつての私はそう思ったに違いありません

誰がそれを自我と証明するのでしょう

誰が証明すれば納得するのでしょう

果たしてそれが自我と言えるのか?

 

自我でもエゴでも、何でも構いません

言葉は仮のもの

やがては覆るものです

「それ」が小さくなれば気づきます

減少する負の感情と思考

それらが齎されたものであったことに

 

そして確かに「それ」が自我であると

科学的根拠はなくても確信するはずです

あなたはそれを見て歩くはずです

私の体験があなたにも当て嵌まるのなら

あなた以上のあなたが

それを見せるようになるのですから

 

私の話もまた一つの物語に過ぎません

それでも体験は事実になります

あなた以外のすべてが否定したとしても

 

 

新しいヒトたちのためにⅰ

 

あなたに

 

「太陽がそこにある」と言った時に

「そういう考えもある」と言うだろうか?

「太陽がそこにある」と言った時に

「それは思想だ」と言うだろうか?

 

「太陽がそこにある」

私の言葉はそういう言葉かもしれない

額面通りの言葉

世界が残した言葉、「全身全霊」のように

 

これはあなたに向けられたもの

他のいつかではなく、この時に

これはあなたに向けられたもの

他の誰かではなく、あなたに

 

 

御明かし

 

こんな時間まで仕事をしているのか?

鏡越しに君を見ていた

私にとっての光はきっと

後にも先にも君しかいない

純真な精神のモチーフとなり

シンボルにもなってくれた

 

底がない沈黙か?

そこにあるのは輪郭と時間のない闇

そこはかとない粒子の漣か?

高密度の原始的大気、天上の溶融炉

生じた光熱、1億5千万㎞の距離は

命になった

 

私の心まで照らした

陰りのある心に確かに晴れ間が広がった

君はくまなく照らした

こんな辺鄙な我が家まで

トカゲもヤモリもカメムシも

みんなが心待ちにしていた

 

十分に含んだTシャツや布団の匂いに

確かに私も歓んでいる

寒い朝は選んで歩いた

夜になれば鏡越しに見ていた

君はくまなく照らしている

みんなが寝ているこの時も

 

 

ひとり旅

 

どれだけ歩いたことだろう

自分の足でここまで来たのか?

誰かの助けなしにあり得なかった

 

渇いた、と聞けば水を飲み

暑い、と聞けば服を脱ぎ

疲れた、と聞けば横になる

 

減った、と聞けば食事をし

寒い、と聞けば服を着て

行くか、と聞けばまた歩く

 

それのなすがままではなかったか?

自分で成し遂げたつもりだった

私は自分の足でここまで来たのか?

 

 

岐路

 

「望みがない」

と思っても微かな望みがある

妥協でも取れる選択肢は残っている

余地がある、そこに愛情がある

 

岐路に立たされた時

私は知らなかった私を知るのかもしれない

望んだ道に進んでも望んだようにはならない

それでも必要な何かを得るのかもしれない

 

「何もかもが上手く行かない」

「遅過ぎる」

「もう望みがない」

それは誤解だったのかもしれない

 

それでも誤解さえも織り込み済み

誤解がなければ苦しみは起きない

苦しみがなければここへは辿り着けない

私は苦しみを避けてここへ来たのだから

 

広がる可能性を絞り込み

私の希望や展望とは別に

導かれるようにここへ来たのかも知れない

私の知らない私を知るために

 

 

苦手なヒト

 

「理解できない」「共感できない」

違いが、違和感が

苛立ちになっていた

 

私は誤解していた

違いが、違和感が

私を作っていたのだ

 

私の人生に苦手なヒトが現れる

違いを知る時、私は明確に私になる

広がったままの

ぼやけたままの私が絞り込まれ

私の核心は浮き上がる

 

怖いヒト

馬が合わないヒト

難しいヒト

苦手なヒトほど

私の知らないありのままの私にする

 

 

躊躇

 

他人の物が羨ましく見えていた

ようやく手に入るチャンスが訪れた時

一瞬の躊躇が起きた

なぜだろう?あれほど欲しがっていた私が

 

その違和感は本当に微かなものだった

それでも重大な違和感だった

「本心は求めていなかった」

その時になるまで私は気づけない

 

「私は何も持てなかった」

「私だけが取り残された」

それは誤解だったのかもしれない

私は本心に近づいて来た

 

「何かが違う、これじゃない」

と搔き分けながら

私の知らない私に、ありのままの私に

本当に求めていたものに近づいて来た

 

 

確か

 

どこかに向かっている

確かなどこかに

本心の私に向かっている

それだけは確かに知っている

 

それでも本心の私を知らない

今の私は分からない

それでも確かに知っている

本心の私に向かっている

 

歯を磨く今も、火星を見上げる今も

確かな道を歩いている

確かな道とは今、歯を磨くことで

今、火星を見上げること

 

自分を知らない私の意図

私のもどかしさ、私の行き詰まり

それとは無関係に

それさえも確かな道として

私はどこかに向かう

 

本心の私に

ありのままの私に

世界がくれた私に

魂のような私に

 

 

本心の私

 

心の底

一番深い所

残響する

本心の声

 

社会に馴染もうとし始めた頃

私は本心を忘れた

それでも響いている

エコーは消えない

 

労働に明け暮れている頃

一人前の社会人になろうとしている時

私の意識の下

本心も育っていた

 

生まれて来た理由

労働を越えた私の仕事は一体?

京都の街を一晩中、自問自答して歩いた

それは青年時代の私、本心の私

 

遂にあの日の私に出会う

生まれて来た理由

労働を越えた私の仕事は一体?

その答えが時を越えて立ち現れた

 

私の青写真と生命の青写真は違った

永い間準備をして来た

私の知らないところで

細胞が成長するように私は育っていた

 

 

キャンバス

 

一瞬過去でも、一瞬未来でもなく

そしてどこかでもない

今ここを生きている、今ここの連続に

 

今ここはまるで流れのない時間

変化のない場所

無限に積層された空間のキャンバス

 

世界に一つが生きている

細胞の蠢きのように世界に一つの経験で

この空間のキャンバスを埋めて行く

 

細胞の蠢きのようにモザイク画のように

瞬間の中で初めての絵になる

それは壮大なスケールの絵画

 

全体は生きている

今ここで初めてを経験し

細胞の蠢きのように進化する

 

同じ存在の同じ経験では進化しない

違いを持った存在が違いを生きている

その理由はここにあるのかもしれない

 

 

分からない人

 

何を考えているのか分からない

どういう感覚なのか分からない

どういう神経なのか分からない

私にはまったく分からない

 

分からない人は分からないことをする

分からない物を食べ

分からない物を読み

分からない物で歓ぶ

 

分からない物を着て

分からない人と付き合い

分からない所に暮らし

分からない仕事に就く

 

分からない場所で分からないことをする

私にはできないこと

やりたくないこと

どちらでもいいこと

 

それを熱心にすべてを捧げてする

私には分からない

正直に言えば少しは分かる

それでもほとんど分からない

 

誰もが分からない場所にいる

そこで分からないものを守り

分からないものを育て

分からないものを生み出す

 

だから世界は廻る

進化する

私には分からなくても

そのことが私にしている

 

 

仕え事

 

「シーンを盛り上げる」と言われる

それぞれがそれぞれで、全体を築き上げる

新しい人間には俯瞰的な意識が追加される

進化する全体への参加者、という意識が

 

新しい世界で他者は対立の対象にならない

私が参加する全体への別の参加者

体と自己意識を超えた別の私

そこは他者がいなければ成立しない世界

 

私よりも上手い人がいる

それでも私がする訳はどこにあるのか?

無限の可能性と言っても自由意志と言っても

私には限りがあり、私は世界の子どもなのだ

 

私よりも上手い人がいる

先行く人が私を作る

私の可能性を消してくれる

私は「あるべき私」に近づく

 

私がしようとしていることよりも

私の「すべきこと」は一体?

それが何か分からなくても

それがあることは知っている

 

それをすれば上手く行く

そのことも知っている

世界が私にそれをくれたのだから

世界に逆らえる者など、誰もいないのだから

 

この世に一人

見て歩いた訳ではなくても確かに知っている

「私であること」

世界が与えた仕事がある

 

 

恒星

 

そこに恒星はある

すぐそこに

火星は遠くにある

ずっと遠くに

 

私はその恒星のことをよく知っている

私たちの物語にそれはよく登場するから

それでも私は知らない

火星よりもずっと遠くにあることを

 

私は知らない

もこもこと泡のように雲を立てること

時には川のようにそれを流し

私たちの街に影を落とすこと

 

学校に仕事に家事に育児に

みんなが忙しくしているうちに

そっと色を変えること

沈む間際に山に吸い込まれること

 

私がカーテンを閉めた後も

知らないその娘を照らしていること

知らない街に暮らしに

敵対する者にも等しく与えること

 

生まれたての無名の命にも

今、死に行く者にも

恒星は等しく、相応しく影を与え

形の世界に形の証を与える

 

恒星は相応しいものを与えた

クジラにはクジラに

ネコにはネコに

カエルにはカエルに

 

テントウムシにはテントウムシに

ひまわりにはひまわりに

メダカにはメダカに

トマトにはトマトに

 

私には紫外線を、ビタミンDを

人類の知らない栄養素xを

必要な分だけ丸ごと与え

私を私にしてくれる

 

誰もいない太古から与えて来た

シアノバクテリアには相応しいものを与え

光合成から酸素を引き出し

多様な命を生み出して来た

 

恒星は神のように知り尽くしていた

恒星は神の一部、圧倒的に正しかった

私の見ている世界がそれを証明している

恒星は自分の存在を知り、存在を生きていた

 

 

正しい

 

ぱらぱらと降る、ぽつぽつと跳ねる

デタラメに思えてもそれなりのリズムがある

雪でも、ひょうでも、みぞれでもない

雨は雨で正しい

 

しんしんと降る、音もなく着地する

デタラメに思えてもそれなりの所へ積もる

雨でも、ひょうでも、みぞれでもない

雪は雪で正しい

 

特急は正しい

各停は正しい

レモンは正しい

その形、断面はレモンのもの

 

桜は正しい

楓は正しい

松も、竹も、梅も正しい

存在に上下も優劣もない

 

海は正しい、だから色んな魚を養う

山は正しい、だから色んな獣を抱える

海は山になれない、なりたがらない

山も海になれない、憧れない

 

言葉は音楽に憧れない

言葉は正しい、音楽は音楽で正しい

太陽は太陽で正しい

私も私で正しい

 

だから私はここにいる

他のものと同様に世界が私にしたのだ

私は正しい

私の存在は、圧倒的に正しい

 

そうでなければこの世に存在できない

それでも私を知るのか?

誰でもない私を、私の仕事を

私は私を知るのか?

 

 

属性

 

優秀であることは凄い

優秀であることは難しい

それでも優秀は違う

自然の姿と似て非なるもの

 

優秀であるよりも与えられた属性を

私であり、あなたであることを

他にはないということを

その事実を

 

私たちは上へ上へ伸びて行く

それは自然の属性、私たちは進化そのもの

優秀は自我の属性

自然に、進化に「誰かよりも」は要らない

 

 

自然の姿

 

私の前に道はない、やり方もない

だからと言って不安になることもない

すでに備わっている、世界に一つの属性が

 

この世に一人を生きる時

空気のように、水のように自然に溶け込む

なぜならそれが自然の姿なのだから

 

この世に一人を生きる時

最も力強く、創造的でいられる

なぜならそれが自然の姿なのだから

 

自然に抵抗するのは誰だろう?

自分を知らない私の意図

思い通りにしたがる私

誰かになりたがる私

優秀であろうとする私

あるべき姿、幸せの形、「みんな」を見る私

この世に一人を知らない私

自然からかけ離れた私

自我になった私

 

 

砂上の楼閣

 

倫理観の問題化か?

手抜き、誤魔化し、監視がなければできない

私が私であれば私の仕事をする

私の仕事であれば手を抜かない

誤魔化さない、監視は要らない

 

放っておかれてもやる

責任からでも、倫理観からでもない

厳密に言えば誰かのためでもない

それこそ倫理観に反するのかもしれない

それがしたいからする

 

本心が求めるからする

それをする時は没頭する

過去も、未来も、どこかも、誰かも

自分さえも入る余地がない

その時に質は高まる

 

本心が教える

良心が教える

悦びの感情が教える

自然が与えたものが私に教える

ありのままの私を、私の仕事を

 

お金ではなく、肩書きでもなく

安定感でもなく

欲望から来るものでもなく

人間の都合さえも越えたものかもしれない

本心の私はそこにいる

 

礎にしたものが間違っていたのかもしれない

「誰もが同じである」という

その不実を礎にしてしまったのかもしれない

私たちは自然に帰る時に来ている

自然、そこは事実の世界

 

 

宮殿

 

私は心

肉体を纏った心

「心身」という言葉を知りながら

体は知っても自我は心を知らない

つまり私を知らない

 

自然のままにしておけば

建てられたままにしておけば

守られるように出来ていた

誰にも見えない、権力者も踏み込めない

私さえ許さなければ

 

夫に明け渡すな

上司に明け渡すな

親に明け渡すな

自ら明け渡すな

心は私の宮殿

 

自我に明け渡すな

それには警戒がいる

道徳や正義のフリをして

「べき」「ねばならない」を持ち込み

ありのままの私を許さない

 

誰にも明け渡すな

心は自然が与えた宮殿

この世を愉しむための創造の場所

太古も未来もない時を超えた空間

「今ここ」に蓄積された私そのもの

 

 

ミチオシエ

 

悦びを追う時、私は子どもになる

過去も、未来も、どこかも、誰かも消える

私はただ今ここで遊び、世界と一つになる

 

悦びを追う時、私は私の道になる

足跡を辿るのではなく

私の後ろに足跡ができて私自身が道になる

 

悦びを辿るうち、私は未知の私になる

自然から与えられた固有の部分が

引き出されて伸ばされて世界に一つになる

 

悦びを辿るうち、私は悦びに愛される

悦びが私の行き先を照らすようになり

私はただ悦びのままに歩を進める

 

これは何かに似ている

私は思い出そうとしていた

田舎で見た子どもの頃の風景

 

私を誘なう香り

私の歩調さえも知っている

玉虫のような神秘の色、ミチオシエのこと

 

 

悦び

 

宴の「歓び」

にぎやかな「歓び」

にこにこする「喜び」

笑う「喜び」

 

心地よい「悦び」

穏やかな「悦び」

わくわくする「悦び」

静かに続くもの

 

気楽さの中で時に責任を伴うもの

人間の道徳とは別の、私自身に対するもの

「誰でもない私である」という

私の仕事に対する感情

 

悦び、それは静かな情熱

欲望から来るものではなく

比較から来るものでもなく

奥底の良心から来るもの

 

 

自然を生きる

 

「私さえいればいい」

というのは都合がいい

私がいればできてしまう

私が右手を出せば「それでいい」と肯定され

左足を出せば「それが正しい」と称賛される

私の考察や閃き

これまでの人生までもが仕事になる

 

自然を生きるとはそういう事かもしれない

こんなにムダのない事があるのか?

自然は最も合理的なシステム

自然を生きるとはその言葉の分離感とは違い

私に馴染んでいる

馴染む、という分離感さえもない

それは私なのだから

 

自らの意志で開拓し、文明を築き上げて来た

進んだ存在が遅れている訳がない

それでも遅れている

すべてが自然の子どもであり

自然であるに違いない

肉体を纏うと同時に纏ったエゴも

自然であるに違いない、それでも離れている

 

私がエゴを理解する時

自然が与えた私を生きるようになる

本心の思いが道になり、悦びが道を照らす

誠実に悦びを生きる時

私は世界に一つを生きている

私はようやくそこら辺の樹木になり

そこら辺の猫になる

 

自然界の一員になり

神の意思を生きる者になる

私はただ自然が与えた本心を知り

自然が与えた悦びを生きる

私はただ進化する世界に加わろうとする

自分でやろうとするのではなく

生かすものが私を通してするようにする

 

 

寵児

 

在るものを見る人は質の高い仕事をする

在るものは例えば足元の虫で、頭上の星

在るものを見る人は実体を見る

実体が持つ不可解、不思議、奇跡を見る

 

在るものを見ない人は名前を見る

実体にはない名前、実体には及ばない情報

人間が与えた物語を実体として見る

そこに不可解、不思議、奇跡はない

 

在るものを見る人は見せるものが違う

肉体を纏うと同時に纏ったエゴが

小さいか、あるいは薄い

その為に意識は今にある体と繋がる

 

今に意識がある人は在るものを見る

今に在るものと意識が繋がる

今に在るものとは例えば生命力の泉で

創造力の泉、人智を超えたこの世界の根源

 

在るものを見る人は質の高い仕事をする

今に在る創造力の泉と繋がり

この世界の創造力を受け取る

彼らはまさに天才になる

天才が神の寵児と言われるのはその為だろう

 

在るものを見る人は質の高い仕事をする

幼い彼らが

足元の虫や頭上の星に魅せられたのは

きっとその為に違いない

 

 

小さな過ち

 

意識は先に先に、それでも体は今ここに

意識と体が一致しなくても

それなりに成立するように出来ている

それでも誤差が拡がれば

エラーが起きてしまうのか?

 

私は小さな過ちを犯した

「過ち」とも呼べない小さな過ちを

意識が今ここになければスムーズに行かない

意識が今ここにないことを

小さな過ちは教えてくれる

 

小さな過ちが「今ここにあれ」

と教えるのはなぜだろう?

今ここに何があるのか?

今の常識では測れない

重大な秘密が隠れているのか?

 

 

根源(初めからいた場所)

 

過去へは行けない、未来へも行けない

ここではないどこかへも

今ここを生きている

すべてが今ここの連続に

 

すべてが今ここから生まれ

すべてが今ここから始まり

すべてが今ここから拡がり

進化する

 

今ここは特別な場所

限りを知らない生命力の泉、創造力の泉

あらゆるものの場所で根源

まるで神そのもの

 

私はずっと今ここにいた、体だけがそこに

意識は存在に依存しながら過去と未来に

今の私ではない他の誰かに

ここではないどこかに

 

今ここは拠り所にならない

実在するものも、事実も

エゴの仕組みに気づけば

意識は億年振りにあるべき場所へ帰る

 

意識と体が繋がる、すると光が射し込む

厳重な扉が開いたのだ!

私は初めて知る、扉の存在

エゴが鍵を掛けていたことを

 

閃きが何度も訪れた

できなかったことができた

知らなかった私がここにいる

それでもそれは元々持っていたもの

 

自然から貰った固有の部分が

引き出されて伸ばされた

初めからいた場所

私の足元には創造の世界が広がっていたのだ

 

 

プラグ

 

誰もが繋がっている

だから鼓動する

後は意識の繋がりだ

それがないのは抜けているのと同じだ

 

プラグを差し込めば繋がる

創造の泉、今ここと繋がる

世界に一つが伸ばされる

世界が与えた天才になる

 

誰もが天才になる

すでに今ここを生きているのだから

奪われることのない天才になる

すでに世界に一つなのだから

 

天才とは天の力であり

この世界のエネルギーとも言える

この世界の生命力や創造力が

形を通して表現される

 

 

進化

 

エゴがなければ見る事はできない

実在しない世界、ここではないどこか

「先行き」「見通し」「計画」「戦略」

今を犠牲にする事などできない

 

エゴがなければ見る事はできない

「誰もが同じである」という不実、幻

それがなければ比較はできない

自分を殺す事などできない

 

エゴがなければ見る事はできない

あるべき姿

人生のレール、幸せの形

普通、平均という物語

 

エゴがなければ見る事はできない

繋がりのない不実、幻

それがなければ孤独を感じる事はできない

また物語に戻って来る事はできない

 

エゴがなければできない

繋がりのある者を敵視する事

相手の影を育てる事

「世界の中心」と錯覚する事

 

自分の物にする事

見境のない事

調和しない事

自滅する事

 

エゴがなければ一様の眠りに就けなかった

実在の世界を離れ

意識の世界を築く事はできなかった

ヒトの世はエゴの賜物

 

エゴは道徳をも強化した!

それでもすでに歪んでいる

人類の夢は意図を超えているのかもしれない

私たちの意思と細胞の意思は違う

生かすものの意志と私たちの意志は違う

 

水際の魚か?草か?海底の有機物か?

名もないあの祖先のように

意図を超えた進化の時に来ている

礎が替わる時に来ている

 

 

礎が替わる時

 

自分たちでやろうとしたのかもしれない

根源との繋がりを意識の上で断ってしまった

自我を礎にしてしまったのかもしれない

 

意識が繋がるだけで一体何が変わるのか?

自我を知る時、自我は力を失い始める

すると意識は繋がり始める

私たちにしているもの、進化に向かわせるもの

生命、自然、宇宙、世界と繋がり始める

 

意識が存在の場所に帰る時

新しい世界が訪れる

創造性の飛躍、閃きと導きの世界

あの世界の私たちが

遂にこの世界と関わりを深める

 

自我を礎にしていては知ることはできない

自然が持つ別の側面も、私たち自身も

自我を礎にしていては

この世界の創造力を受け取れない

それでは築き上げたものは無駄だったのか?

根源との繋がりを礎にした時

既存の文明は昇華を始めることだろう

 

世界は待っている

私たちが自我を乗り越え

私たちの意識と繋がる時を

世界が与えた私たちを生きる時

多様で創造性豊かな世界になる時を

なぜなら世界は創造力

進化そのものなのだから